「実はとても苦しいピンコロリ(突然死)」を避けるために気をつけたいこと

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また、感覚麻痺といって、麻痺のあるほうの手足がしびれたり、痛みや熱さ、冷たさなどを感じにくくなったり、何かに触れても触れている感覚がわからなくなったりすることもあります。

自分の体なのに手足が思うように動かせないのはもどかしいでしょうし、以前ならごく簡単にできていたことができなくなってしまいます。

脳に障害が残るとどうなる?

一方、「認知症のような」と書いたのは、高次脳機能障害という後遺症です。

高次脳機能障害は、脳を損傷されたことで起こる、記憶や学習、思考、判断、感情などの機能の障害のこと。こう書いてもどんな障害なのかイメージをしにくいかもしれませんが、高次脳機能障害は本当に十人十色で、人によって症状の出方はさまざまです。

(出所)『高血圧、脳卒中、心筋梗塞をよせつけない! 「100年血管」のつくり方』より

具体例を挙げましたが、これらはほんの一例で、脳のどこが障害されるのかによって、どんな障害がどんな強さで出るのかは変わります。そして、多くの場合、いくつかの症状が重なって出ます。

高血圧、脳卒中、心筋梗塞をよせつけない! 「100年血管」のつくり方 (青春新書プレイブックス P 1223)
『高血圧、脳卒中、心筋梗塞をよせつけない! 「100年血管」のつくり方』(青春出版社)。書影をクリックするとAmazonのサイトにジャンプします

そのほか、口やのどに麻痺が生じて言葉がうまく話せなくなったり(言語障害)、飲み物や食べ物をうまく飲み込めなくなったり(嚥下(えんげ)障害)、尿が出せなくなったり(尿閉)、逆に尿を漏らしてしまったり(尿失禁)、脳卒中によって生じる後遺症はさまざまです。

その結果、趣味の運動や運転などをあきらめざるを得なくなるだけではなく、ごく普通の日常生活でさえ、誰かの手を借りなければ難しくなってしまうこともあります。

血管を老化させて、心臓や脳といった大事な血管が切れたり詰まったりすれば、ピンコロリ(突然死)につながりかねないという怖さもありますが、それだけではなく、ピンコロリさえ、自分では選べません。

むしろ、コロリと逝かずに、なんらかのつらい症状や障害を抱えたまま生き続けることのほうが多いのです。健康寿命を短くするだけで、自分が描いていた晩年とは違う、つらい人生の幕開けになってしまいかねません。

だからこそ、血管をケアしていくことが大切なのです。

池谷 敏郎 医学博士/池谷医院院長

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いけたに としろう / Toshiro Iketani

1962年、東京都生まれ。医療法人社団池谷医院院長。東京医科大学医学部卒業後、同大学病院第二内科に入局。1997年、医療法人社団池谷医院理事長兼院長に就任。専門は内科、循環器科。現在も臨床現場に立つ。生活習慣病、血管・心臓などの循環器系のエキスパートとして、数々のテレビ出演、雑誌・新聞への寄稿、講演など多方面で活躍中。東京医科大学循環器内科客員講師、日本内科学会認定総合内科専門医、日本循環器学会循環器専門医。著書に『体内の「炎症」を抑えると、病気にならない!』(三笠書房)、『「血管を鍛える」と超健康になる!』『血管の名医が教える15歳若返る習慣』(ともに知的生きかた文庫)などがある。

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