職場に潜む「過去の栄光マウント」聞き流すための大人の対処法とは?

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それだけではない。この名門校の同級生だった男性と結婚し、お姫様のように扱われていたとか、実家が非常に裕福だったとかいうことも話すらしい。しかし、同僚から聞いた話によれば、現実には彼女はその夫と離婚しているという。彼女が高校生の頃に両親が離婚していることも考え合わせると、本人が言うほど経済的に恵まれた幸福な人生を送っていたわけでもなさそうだ。

どんなにモテたかに至っては確かめようがないが、少なくとも50代を迎えた現在の彼女を美人と形容するのは無理があると、30代の女性は話した。それでも、この上司が大学時代にキャンパス内で撮ったという自分の写真を職場に持ってきて見せて回ったので、みな口々に「きれいですね」と称賛した。

30代の女性は、その写真を見てそれほどきれいとも思わなかったけれど、同調してほめ言葉を口にした。この上司がオーナー社長に告げ口をしたせいで、退職に追い込まれた女性社員が何人もいるという話を同僚から聞いていたからだ。このように心にもないおべんちゃらを言わなければならない職場に嫌気が差したことが、私に相談した最大の理由のようだ。

なぜ過去の栄光を誇示せずにはいられないのか

この上司が過去の栄光を誇示せずにはいられないのは、微妙なコンプレックスを抱えているからではないか。かつての同級生たちが勤めているようなブランド企業ではなく小さな会社で働いている自分、離婚して女の幸せをつかみそこねた自分、同じように離婚している母親に経済的援助をしなければならない状況でそんなに裕福な生活を送れるわけではない自分……こうした現在の自分の姿にある種の欠落感を覚えているからこそ、超名門私立校の出身であることをひけらかし、過去の栄光を誇示せずにはいられない。

ちなみに、かつて自分がどれほどモテたかという話をしきりにする背景には、この会社では彼女以外の女性社員のほとんどが既婚で子持ちという事情があるように見える。

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