「並ばない万博」初日から2時間待ち!行ってみてわかった「大阪・関西万博」の”根本的な問題”とは?

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また、異常検知の際のシステムがスムーズに稼働せず、誤作動を起こす様子も見受けられた。ここは、係員の方が詰め寄る来場者に説明していた内容で、混乱ぶりを推察するしかない。

「この荷物検査は、AIで動いています。きょうが初日ということもあり、AIがまだちょっとアホです!」「次回来場の際は、AIがもうちょっと賢くなっているので、もう少しスムーズに入場できると思います!」

子連れに優しくない万博 それでも「行ってよかった」理由は?

大阪・関西万博
数々のパビリオンが集結する。写真はマレーシア館(筆者撮影)

入場でのこういった混乱は、事前に下調べのうえでバスを予約すれば、ある程度回避できる。また、今どき阪神タイガースなどのプロ野球、セレッソ大阪などのJリーグの試合・スポーツイベントはひととおりQRコードで入場でき、「完全キャッシュレス」のイベント会場(エスコンフィールドHOKKAIDOなど)も珍しくない。この状況で「ネットでチケット購入・全面キャッシュレスが来場者に優しくない!」と言っても始まらない。

ただ、万博会場内にも難点はある。各会場の動線を確認できる案内板が極端に少なく、トイレや子供と休める休憩所、授乳ができるスペースなどを探しづらいのだ。

水筒は持ち込めるものの、ミルクを溶かすお湯が出る場所が地図でも明記されておらず、インフォメーションで聞いても確認に相当の時間を要するなど、あまり情報が共有されていない様子。そのあたりのフードコートに「お湯をください、お湯を!」と詰め寄り、調理の手を止める方も……事情が事情だけに、親御さんにも、フードコートの方にも同情してしまう。

子育て中の親からすれば、「調乳が不要な液状缶ミルク(「らくらくミルク」など)くらい持ち込ませて! お湯をもらえる場所ももっと共有して!」と言いたくなる状況だ。まずは、「風邪をひかずに待てて、子供と遊べる万博会場」を、今からでも考えてほしいものだ。

大阪・関西万博
夜のパビリオンや通路は、各国の民族舞踊がさかんに行われる(筆者撮影)

ほかにも「フードコートの時間待ちが読めない店舗が多い」「大屋根リング以外で雨風をしのげる場所が少ない」など、指摘したくなる部分は多い。しかし、パビリオンで説明されている方はホスピタリティも高く、片言ながら親切にご案内いただくなど、十分に楽しめた部分もあった。閉幕まであと6カ月、期間中にどこまで「来場者に優しい万博」になれるか、見守っていきたい。

宮武 和多哉 ライター

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みやたけ わたや / Wataya Miyatake

バス・鉄道・クルマ・駅そば・高速道路・都市計画・MaaSなど、「動いて乗れるモノ、ヒトが動く場所」を多岐にわたって追うライター。政令指定都市20市・中核市62市の“朝渋滞・ラッシュアワー”体験など、現地に足を運んで体験してから書く。3世代・8人家族で、高齢化とともに生じる交通問題・介護にリアルに対処中。著書「全国“オンリーワン”路線バスの旅(既刊2巻・イカロス出版)など

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