「さすがにフェイク画像でしょ」→まさかの「事実でした」…《「すき家」のネズミ混入事件》で浮き彫りになった、“絶対にマズい”2つの致命的なミス
そうであればこそ、大手になればなるほど、異物混入を回避する「事前対応」だけでなく、異物混入が起きてしまった際の「事後対応」もしっかりと行う必要がある。
すき家はHP上で下記のようにコメントしている。
当該店舗については発生後すぐに一時閉店し、衛生検査の実施と、異物混入に繋がる可能性のある建物のクラックなどへの対策を講じるとともに、商品提供前の目視確認など、衛生管理に関して改めて従業員に対する厳格な教育を行いました。また、発生当日の段階で所管の保健所にも相談しています。なお、当該店舗は発生2日後に保健所のご担当者様に現地確認をいただいた上で営業を再開しました。
全国の店舗に対しても、異物混入を未然に防ぐために提供前の商品状態の目視確認を徹底するよう改めて指示を行いました。

これを見る限り、事後対応はしっかりとやっているように見える。
ただ、問題なのは報告のタイミングだ。
異物混入に関しては、1月21日に直接顧客から報告を受けており、上記のような対応を講じている。公表されたのが、3月22日、つまりは発生から2カ月後だ。その間、ネット上に画像がアップされ、SNS上で話題にもなっている。
いずれにしても、大きな騒動にはなったには違いないが、迅速に発表していれば、騒動はもっと小規模にとどまり、すき家側への批判もここまで大きくはならなかっただろう。
実際、2カ月間公表が遅れたことが、メディアで大きく取り上げられる結果となっている。
加えて言えば、異物混入を訴えた顧客に対して、十分な対応を行ったのかどうかについても、疑問が残るところだ。異物混入をネット上で報告する行為は好ましい行為とはいえないが、それを防ぐために、手厚く顧客対応を行うことも店舗側には求められる。
異物混入を乗り越えた「3事例」
本件と引き合いにされる事例が、昨年5月に起きた、敷島製パンが生産する「Pasco(パスコ)」ブランドの食パン「超熟」に、クマネズミの一部が混入していた事件だ。
こちらも大きく報道されたが、敷島製パンは原因究明と対応を迅速かつ徹底的に行い、そのプロセスを随時公表した。それによって、一時的にブランドイメージは下がったかもしれないが、誠実な対応が功を奏し、事態は比較的早く収束した。
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