GDP縮小影響は年間6.8%との試算も…トランプ大統領が叫ぶ「移民排斥」がまったくもって愚策と言える論拠

ドナルド・トランプ大統領は今年1月の就任演説で、アメリカへの移民を国家安全保障上の脅威と位置づけ、「わが国への破滅的な侵略を撃退するため、南部国境に軍隊を派遣する」と宣言した。
そして国防総省に対し、「不法な集団移住、麻薬密売、密輸、人身売買を含むあらゆる形態の侵略を撃退する」ことによって「国境を封鎖する」計画を策定するよう指示した。

英BBCは「トランプ大統領は21以上の大統領令によって、移民の処理や強制送還の方法を含め、アメリカの移民制度の一部を抜本的に見直す方向に動いた」と報じている。出生市民権を廃止するという彼の最も極端な命令は、既に連邦判事によって「あからさまに違憲」と判断され、停止されている。
合衆国憲法修正第14条は「合衆国において生まれ、または帰化し、かつ、その管轄権に服するすべての者は、合衆国およびその居住する州の市民である」と明確に規定しているからだ。
「ショック・アンド・オー(衝撃と畏怖)」
現在のところ、トランプ大統領の国粋主義的なレトリックにもかかわらず、不法移民の逮捕者数はトランプ大統領が約束した数には遠く及ばない。
実際、バイデン政権は月平均でトランプ政権よりも多くの人々を国外追放していた。トランプ大統領が3月4日の議会両院合同会議での演説で、より多くの収容人員と収容能力を要請したのはそのためだろうか。
その間、彼は高価な軍用機を使って不法移民を母国に送り返したり、「ショック・アンド・オー(衝撃と畏怖)」キャンペーン(国外追放者をグアンタナモ収容所に送る)に頼って、移民とその子供たちの間に恐怖を植え付けようとしている。