今春、フジテレビの人気アナが次々消える…「椿原慶子(39)と岸本理沙(25)の退社」が《フジの終わりの始まり》を意味するワケ

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2008年入社の加藤綾子が採用面接時に「セクシーポーズをしてください」と言われたことがあったという。そのときに、加藤はスカートの裾を膝上までまくり上げたと、後にフジテレビの番組で告白している。

これぞ、2000年代のフジテレビカルチャーである。入社面接でセクシーポーズを要求されるという“異常な”事態に、拒否したり騒ぎ立てたりするでもなく、相手の意図を汲み取りながら、問題にならない範囲内で要求に応えた女性が採用される。

加藤と同じ年に採用試験を受けてアナウンサーになった女子大生が「パンチラ見せれば通るわよ」と断言していて、それに違和感を抱いた筆者がそれを表題にした本を上梓したのが2009年のことだ。当時はフジテレビを筆頭として、そのような空気感が漂っていたのである。

今から考えると“異常”だが、当時のテレビ局ではそれが“普通”だった。

こうして、入社の段階から、フジテレビカルチャーに染まれる素地のある人かどうかが見抜かれる。

フジテレビ
永島優美アナウンサー(画像:フジテレビ公式サイトより)

「この空気ズレていないだろうか」という感覚

世間の空気をフジテレビが作れていた時代はそれでよかった。フジテレビを見て育ってきた若者は山ほどいて、その中には加藤綾子のようなフジテレビ的な“逸材”もいて、そういった人材を選べばよかったからだ。

だが、それから約20年が経ち、世間の価値観は変わってきている。12年にわたり年間視聴率三冠王者に君臨し続けてきたのも今は昔。2015年には週間平均視聴率でテレビ東京に抜かれ、個人視聴率は4年度連続で4位という状況だ。テレビ全体の影響力も弱まってきている中、お世辞にもフジテレビが世間の空気を作っているとは言いがたい。

むしろ、世間が変わったのに、自分たちは変わらずにいたことが、昨今のさまざまな問題を引き起こしている要因になっているのではないだろうか。それが、問題発覚後の対応や会見で「ズレている」とフジテレビが叩かれる理由にも通底している。

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