単純レントゲン写真では肺の形や異常な影の有無を判断し、肺機能検査では肺活量などを測定することで、肺の機能が低下していないかを見ます。血液検査では、血液中に酸素や二酸化炭素が正常な範囲にあるかどうかを調べます。
特に重要とされるのが、CT検査です。詳細に肺の内部を撮影することができ、単純レントゲン写真だけではわからなかった肺の奥にある細かな病変や炎症、線維化を見つけるのに役立ちます。
●治療は「進行を止める」のが目標
間質性肺炎は完治が難しいことが多く、治療では炎症を抑えて線維化の進行を止め、生活の質(QOL)を改善することを目標とします。
治療薬はステロイドが炎症を抑えるためによく使われます。間質性肺炎のうち、特発性肺線維症に対しては、近年ではニンテダニブとピルフェニドンという抗線維化薬が導入されています。
また、病気が進行し肺の働きが低下すると酸素が不足するため、酸素吸入療法によって体内の酸素量を補うこともあります。こうした酸素療法や肺リハビリテーション(呼吸のしやすさを改善するリハビリ)は生活の質を大きく向上させる重要な支援です。
さらに、病気の進行が著しく、薬や酸素療法などの一般的な治療が効果を示さない場合には、肺移植が検討される場合もあります。
病気を知る機会に
著名な料理研究家が間質性肺炎で亡くなったという悲しいニュースは、この病気に対する認識を深めるきっかけになります。
間質性肺炎は1万人に数人が発症する比較的珍しい病気ですが、歌手の美空ひばりさんや作家の星新一さん、海外では『ゴッドファーザー』の主人公を演じたマーロン・ブランドさんなど、これが原因で亡くなった著名人はほかにもしばしばいらっしゃいます。
発症の多くは原因不明ではあるものの、早期発見が非常に大切です。
まずは喫煙者は禁煙をする、粉塵を吸い込まないよう注意する、定期的な健康診断で呼吸機能検査などを受ける、といった一般的な対策を怠らないのがよいでしょう。
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