タイの「元JR車両」観光列車、なぜ「国鉄色」なのか 工場担当者が語る「クリーム色に赤帯」の理由

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「KIHA」は2024年末現在、4両編成2本が運用に就いている。こちらも観光シーズンの土曜・日曜に観光列車として運行されるほか、団体貸切列車としても活躍。筆者もタイ滞在中にすれ違うことがあったので、バンコク周辺にいれば目撃のチャンスはありそうだ。

先頭車はいずれもスラントノーズと呼ばれるくの字形の前面で、塗装は日本時代の「オホーツク」色のまま。ヘッドマークは「オホーツク」のデザインを模したもの、桜の花を配したものなどバリエーションがあり、メンテナンスを担当する「マッカサン工場」の名前も日本語で表記されている。

タイ国鉄 キハ183系 オホーツク
タイで再び走り始めたキハ183系。「オホーツク」を模したヘッドマークが特徴的(撮影:伊原薫)
【写真】スラントノーズと呼ばれるくの字形の前面と「オホーツク」色の塗装が懐かしいキハ183系。「マッカサン工場」の日本語表記がユニークだ

なぜ国鉄色の外観に?

マッカサン工場では現在、3本目となる「KIHA」の整備が大詰めを迎えており、2025年2月にはその試運転が行われた。

こちらはクリーム色と赤色のいわゆる「国鉄色」へと塗色を変更。工場の責任者によると、「日本の鉄道ファンにはこの色が人気だと聞き、採用した」とのことだが、タイでまさか国鉄色が見られるとは驚きだ。

タイ国鉄 国鉄色 キハ183系
改造工事を終え、マッカサン工場から出てきたた国鉄色のキハ183系(撮影:伊原薫)

日本での役目を終えた後、異国で観光車両となった車両たち。彼らがタイでも愛され、両国の友好の懸け橋となることを切に願う。

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【1つ前の記事】<タイで復活、日本の「元ブルートレイン」現在の姿>栓抜きがついたテーブルや通路にある収納式のベンチ……筆者も懐かしさのあまり、思わず目が潤んだその乗り心地は?
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伊原 薫 鉄道ライター

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いはら かおる / Kaoru Ihara

大阪府生まれ。京都大学交通政策研究ユニット・都市交通政策技術者。大阪在住の鉄道ライターとして、鉄道雑誌やWebなどで幅広く執筆するほか、講演やテレビ出演・監修なども行う。

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