タイの「元JR車両」観光列車、なぜ「国鉄色」なのか 工場担当者が語る「クリーム色に赤帯」の理由

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その1つが、観光列車の「ROYAL BLOSSOM」だ。2024年春に営業運転を開始した同車は、もともと国鉄14系客車として製造されたもの。分割民営化でJR北海道に引き継がれ、急行「はまなす」などで使用された後、2016年にタイへ渡った。

その後、しばらくは動きがなかったが、2021年ごろにタイ国鉄が団体客などの利用を想定したイベント用車両に改造すると発表。「ROYAL BLOSSOM」へと生まれ変わった。

「ROYAL BLOSSOM」は5両編成。外観は14系時代の青からメタリックレッドとなり、金色の帯が3本巻かれている。

両端の車両は片側の1両が「Leisure Car」と位置付けられ、車内の中央に軽食や飲み物が提供できるカウンターを配置。乗務員室があった車端部は仕切りが取り払われて窓が広げられ、展望スペースとなっている。

日本の観光列車みたい

また、もう1両はそれぞれ違う雰囲気の個室を4つ配した「Group Car」に。こちらは客扉が大幅に広げられ、車いす用のリフトが設置された。

中間車の3両はいずれもオープン構造の客室で、座席はもちろん床や天井、照明などもすべてリニューアルされている。いずれの車両も木目調の内装で、床もフローリング調。シンプルながら落ち着いた雰囲気だ。

前述のカウンターで提供される飲食物に加え、列車によっては個室の利用者に特製の弁当がスタッフの手で届けられるなど、まさに日本の観光列車と同じように旅が楽しめる。

タイ国鉄 元14系 ROYAL BLOSSOM
2024年に誕生した「ROYAL BLOSSOM」。元14系客車の面影が残る(撮影:伊原薫)
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