新生活のスタート前に必見!「後悔しない住まい選び」の3つの重要ポイント 長期的に見て「生活の質」を左右することは何か?

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中古はもとより、新築であっても入居後に断熱性能をさらに高める改修は可能である。断熱性能の向上により、ヒートショックのリスクの低減に加え、光熱費の削減にもつながるメリットもある。多くの自治体では、断熱改修に対する補助金制度を設けている。これらの制度を積極的に活用し、より快適で安心な住まいづくりを検討してみてはいかがだろうか。

「狙われにくい家」に!実践したい防犯対策

最後に「防犯」について考えてみよう。

近年、首都圏を中心に強盗事件が相次ぎ、防犯意識が高まっている。しかし、強固なセキュリティシステムを導入しても、侵入者を完全に防ぐことは難しい。

そこで重要になるのが、「狙われにくい家」にするための工夫だ。泥棒や空き巣は入念な下見の上、侵入しやすく、逃げやすい家を選ぶ傾向にある。だからこそ、家の周りに死角を作らないことが重要で、植木やゴミ箱、自転車などが、侵入者の隠れ場所にならないよう、整理整頓を心がけよう。

また、洗濯物の干しっぱなしや、郵便受けに郵便物が溜まっている状態も「留守にしている」というサインになるため、避けるようにしたい。

こういった日々の心がけに加えて、防犯設備を導入することも有効だ。最近は、スマートフォンと連携できる安価な防犯カメラも増えている。建物の四隅に防犯カメラを設置すれば、死角をなくすこともできる。

さらにセンサーライトや防犯砂利など、複数の防犯グッズを組み合わせることで、より効果を高めることが可能だ。窓からの侵入対策としては、ガラスを割れにくくし、侵入時間を長引かせる防犯フィルムや防犯性を高める補助錠を設置することを推奨したい。シャッターや面格子も、物理的に侵入を困難にする効果がある。

そして、意外と見落としがちなのが、2階の窓の防犯対策だ。雨樋や1階の屋根を伝って、2階の窓から侵入されるケースもある。2階の窓も、施錠を徹底し、防犯対策を怠らないようにしたい。

また、玄関の鍵の閉め忘れにも注意が必要だ。ゴミ出しや近所への買い物など、短時間の外出でも、必ず施錠する習慣をつけよう。オートロック機能付きのキーレス錠を導入するのも、閉め忘れを防ぐ効果がある。

防犯は「光、音、時間をかけさせる、人の目(カメラ)」が対策の原則で、複数の要素を掛け合わせると効果が高まるので参考にしてほしい。

今回は、新生活で失敗しないための「お金」「健康」「防犯」の3つのポイントについて、重要な点にしぼってお伝えした。新しい生活を始めるにあたっては、どうしても初期費用や日々の生活費に目が行きがちだが、住まいの快適性や安全性は、長期的な視点で見ると、生活の質を大きく左右する。

新生活のスタートは、住まいの状態をしっかりと把握し、必要な対策を講じる良い機会でもある。専門家によるホームインスペクションなども上手に活用し、安心して暮らせる住まいづくりを目指してほしい。

新生活のチェックポイント
新生活のチェックポイント(画像:さくら事務所)
長嶋 修 不動産コンサルタント(さくら事務所 会長)

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ながしま おさむ / Osamu Nagashima

1999年、業界初の個人向け不動産コンサルティング会社『株式会社さくら事務所』を設立、現会長。以降、さまざまな活動を通して“第三者性を堅持した個人向け不動産コンサルタント”第一人者としての地位を築いた。国土交通省・経済産業省などの委員も歴任している。主な著書に、『マイホームはこうして選びなさい』(ダイヤモンド社)、『「マイホームの常識」にだまされるな!知らないと損する新常識80』(朝日新聞出版)、『これから3年不動産とどう付き合うか』(日本経済新聞出版社)、『「空き家」が蝕む日本』(ポプラ社)など。さくら事務所公式HPはこちら
 

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