新生活のスタート前に必見!「後悔しない住まい選び」の3つの重要ポイント 長期的に見て「生活の質」を左右することは何か?
また売り主側で実施されたホームインスペクションの報告書がある場合でも、自身が信頼する専門家による再点検をおすすめしたい。検査の視点が変わることで、新たな問題点が見つかることもあるからだ。
住まいにかかる費用は購入時だけでなく、住み始めてからのメンテナンス費用も大きな割合を占める。ホームインスペクションは、将来的な修繕費用を抑え、住まいにかかるトータルコストを最適化するための有効な手段の1つとなり得る。ぜひ、選択肢の1つとして考えてみてほしい。
家族の健康を守る住まいの注意点
住まいは「お金」だけでなく、私たちの健康や安全を守る砦(とりで)でもある。
まず「健康」面で注意したいのが、シックハウス症候群だ。新築住宅に入居した際に、人によっては頭痛やめまい、吐き気、目や喉の痛みなどの症状が表れることがある。これは、建材や家具などから揮発する化学物質が原因の1つと考えられている。
このシックハウス症候群対策として、2003年7月1日以降に着工し建てられた住宅には、24時間換気システムの導入が義務付けられた。室内の空気を常に入れ替え、建材などから発生する化学物質を外に出し、室内にとどまる量を減らす。これが、24時間換気システムの役割である。
そのため新生活を始める際には、必ず給気口が開いているか確認し、換気を意識することが大切だ。給気口は、台風や暴風雨などで、室内に雨が入ってしまうとき以外は開けておくことが基本となる。
ただ最近は「F☆☆☆☆(エフフォースター)」と呼ばれる、ホルムアルデヒドの発散量が少ない建材を使用することが一般的になっているため、以前ほどシックハウス症候群について神経質になる必要はない。一方で輸入家具や雑貨などには、F☆☆☆☆に対応していないものもあることを覚えておきたい。
また、アレルギー体質の方は、カビやダニにも注意したい。特に、新築住宅の床下は、基礎コンクリートから放出される水分や、施工時の雨水などが原因で、カビが発生しやすい環境にあることがある。引き渡し前に、床下の状態を専門家に確認してもらうと、より安心できるだろう。
近年、光熱費削減や快適性向上の観点から「高断熱住宅」のニーズが高まっている。しかし中には、床下の断熱材を厚くした結果、床下の通気口が塞がれて湿気がこもる不具合が起きているケースもある。カビの発生を防ぐためには、断熱性能を高めると同時に、床下や室内で必要とされる換気量の確保も重要である。
そして、室温も健康に影響する。冬場の寒さは、ヒートショックの原因になるためだ。ヒートショックとは、急激な温度変化で血圧が変動し、心臓に負担がかかる現象のこと。入浴中の意識消失や心筋梗塞、脳梗塞などの健康被害を引き起こし、最悪の場合、浴室内での溺死や転倒による重症などにつながる恐れがある。
対策としては、脱衣所や浴室を暖める、入浴前に水分補給をするなどのほか、住まい全体の断熱性能を高めることも予防につながる。断熱性能向上には内窓(インナーサッシ)の設置や、床断熱の強化などが有効だ。内窓は既存の窓の内側にもう1枚窓を設置するもので、比較的容易に断熱性・気密性を高められる。
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