6センチの段差を脚で乗り越える掃除ロボ登場 欧州・東南アジアで急成長のDreameが野心的な新製品

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日本市場ではこれまでオンライン通販のみで展開しており、市場シェア1%程度とまだ知名度が低いものの、高級モデルに限っては25%程度のシェアを有する。グローバル市場ではすでに存在感を示している同社が、今回どのような製品を投入したのか。

ロボットの脚と手で隙間なく掃除

ロボット掃除機が市場に登場して以来、その進化は大きく3つの世代に分けられる。第1世代は基本的な清掃機能のみ、第2世代は水拭き機能やゴミの自動収集が追加され、第3世代ではベースステーションが進化し、モップの自動洗浄や洗剤の自動注入などの機能が実現した。

そして今回発表された「X50 Ultra」は、Dreame社が「第4世代」と位置づける製品だ。同社セールスディレクターの濱田明克氏は「人間の体に近づけることを目指した」と語る。これまでロボット掃除機が対応できなかった2つの課題、「段差の乗り越え」と「低い家具の下の清掃」を克服するために開発されたという。

ロボットレッグを繰り出し、最大6cmの段差を乗り越えられる(筆者撮影)

「X50 Ultra」には、自動で伸縮する脚が搭載されており、最大6cm(4.5cm+1.5cmの2段階)の段差を乗り越えられる。和室と洋室の間の敷居や、ラグとフローリングの境目といった、従来のロボット掃除機では停止してしまう場所も清掃可能になった。

開発に当たっては100種類以上の方法が検討されたが、最終的に「ハブモーター」(電動自転車などに使われる技術)を搭載。人間の太ももとふくらはぎの動きを参考にした設計により、段差の上り下りを実現している。特に降下時の衝撃対策には苦労したといい、コンポーネントを一から設計し直し、3万回の耐久テストをクリアしている。

登った段差は降りる必要があるため、落下衝撃への耐性も強化されている(筆者撮影)

もう一つ、このロボットには“腕”がある。壁際ギリギリまで伸縮するサイドブラシだ。この腕が部屋の隅まで伸びて、本体が直接届かない場所の汚れも徹底的に除去する。人間が手を伸ばして掃除するように、部屋の隅々まで清掃できるため、従来のロボット掃除機では難しかった壁際の隙間ゼロの清掃が可能になった。

モップを持つアームは左右に伸縮し、壁際ギリギリまでを掃除できる(筆者撮影)
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