東大はお得?脱中国した新移民たちの「受験熱」 SNSで合格マウント、文京区の人気が高まる
張さんの子どもは中学生のときに海外の大学進学に向けて準備を始め、英語カリキュラムがある旧帝大の1校、早稲田大、MARCH(明治大、青山学院大、立教大、中央大、法政大)の1校と、計3校を受験、旧帝大と早稲田に合格した。
中国では卓球選手だった福原愛さんが進学した早稲田大学の知名度が突出して高い。2008年に胡錦濤国家主席(当時)と福原さんが早稲田大学で卓球をしたニュースは中国全土で報じられ、早稲田人気に拍車をかけた。
だが、張さんの息子は旧帝大に進学した。張さんは「10年前だったら迷いなく早稲田だったけど、今は大学のランキングもすぐ調べられるし、日本人と同じ情報が得られるので、総合的に判断して旧帝大を選んだ」と語った。
早稲田大学の中国人学生の学生数の推移を比較可能なデータでみると2010年(5月1日)は学部生455人、修士課程744人(いずれも正規学生)だったのが、2014年(11月1日時点)は学部生730人、修士1193人と急増している。

ただ、その後の伸び方は緩やかで、学部生は2019年、修士課程の学生は2020年に頭打ちし、減少傾向にある。研究生や語学留学生なども含めた外国籍学生に占める中国籍の比率は、2014年が50.11%、2024年が54.32%で大きく増えているわけではない。
東大中国人修士生は10年で3倍
一方東京大学の中国人留学生数をみると、2014年(11月1日)は学部生91人、修士課程442人(いずれも正規学生)だったのが、2024年は学部生139人、修士課程1336人。コロナ禍以降伸びは止まっているが、2014年と比較すると修士生は3倍に増えている。

留学生全体に占める中国人の比率は、2014年に41.0%だったのが、2024年は67.8%まで高まった。この数字には、日本の永住権を持つ外国人学生は含まれていない。
喜さん、彭さんの長子はいずれも東大進学のために鉄緑会に通う。この数年の中学受験熱を見る限り、2人の子どもが大学を卒業するころには、統計に表れない中国籍東大生も一層増えているだろう。
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