一気に3倍!「修繕積立費」値上げの怖すぎる事情 電通マンがタワマン理事長になって知った真実

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もちろん、言いたいことはわかります。私も同じ立場になれば、同じ質問を投げかけるかもしれません。そうした思いが瞬時に頭の中を巡り、なんと答えればいいものか、言葉に詰まりました。

そのほかにも「値上げは仕方ないかもしれませんが、いくらなんでも3倍は異常ですよ。2倍じゃダメなんですか?」など、さまざまな質問や意見が飛び交いました。

「2倍じゃダメなんですか?」と聞いたときは、昔有名になった「2位じゃダメなんですか?」のフレーズがフラッシュバック。一気に、責められているような気分になりました。

「どうしてこれまでの理事会は修繕積立金の値上げをしてこなかったんでしょうか?」という質問を受けたときは、非常に耳が痛かったです。「私も知りたいくらいです!」と言い返したいくらいでした。

私も管理組合の役員になるまで無関心だったため、残念ながら、過去の経緯を語れる人は管理人も含めて1人もいません。過去の理事会を責めるつもりはありませんが、彼らが見直しをしてこなかったおかげで、今回の大幅な値上げに踏み切らざるを得なくなったのです。

ぽつぽつ恨み言をこぼしながらも無事に説明会を終え、臨時総会の前の大きなハードルはなんとかクリアすることができました。

胃の痛みもどんどん増し… 

臨時総会が近づくにつれ、私の胃の痛みも増していきました。

わがタワマンの住民、すなわち管理組合員のキャラクターは実に個性豊かです。なかには、最近ここを購入して管理組合員になった人、会社を定年退職して年金暮らしの人、パートナーが亡くなって一人暮らしをされている人もいます。

そうした住民たちがどちらの意思表示をするのかを考えると、当日まで答えはわからないにもかかわらず、どんどん不安になっていきました。

選挙と同じように投票率を少しでも上げられるよう、私は組合員に対して呼びかけを続けました。エレベーターホールやエレベーター内には、議決権の行使や委任状の提出を呼びかけるポスターを掲示。館内放送でも投票を呼び掛け、手を尽くしました。

臨時総会は結局、事前説明会を実施した会場と同じく、マンション内の共用施設で開催。呼びかけが功を奏したのか、当日、リアルで出席する人は少数でした。

臨時総会には長期修繕計画のシミュレーションを担当したコンサル会社の担当者にも出席してもらい、組合員への説明をお願いしました。

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