「無能と見なされる上司」がやりがちな"悪いクセ" 部下が上司を優秀だと思えない致命的な理由

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私は妻に「講演会の資料を準備しておいてもらえるかな」と頼みました。

大事な資料だったのですが、頼んでから1週間経っても準備している様子はありません。2週間経っても準備してくれていない。そしていよいよ講演の3日前になっても、それでも準備してくれていませんでした。

普段、私は怒ることはないんですが、そのときはだんだんイライラが募ってきて、妻に声が大きくなってしまいました。

「なんでこんな大切な資料を準備してくれないの?」

すると妻はこう返答したんです。

「すぐにやってと言われなかったから、ギリギリでいいと思った」と。

「理解」をするのではなく、「認識」をする

私の中では大きな仕事は早く準備して心理的に楽になりたいという無意識のルールがありました。勝手にそうするのがあたりまえと思い込んでいたんです。

『結局、どうしたら伝わるのか? 脳科学が導き出した本当に伝わるコツ』(アスコム)。書影をクリックするとAmazonのサイトにジャンプします

でも、妻はそれを知りません。共有もできていませんでした。時間に対する価値観の違いをお互いに認識していなかったのです。そこで、今後はこういうことがないよう価値観の共有をしました。

「今回は僕がちゃんと伝えてなかったのが悪かったんだけど、今後大きな講演会があるときは、すぐやってくれたら自分としてはすごく助かるので、お願いしてもいいかな?」

そう提案したら、「もちろんいいよ」と妻は答えてくれました。それ以来、大きな講演会の仕事があったときは、すぐに準備してくれます。

価値観の共有はできていると思い込んでいても、こんな感じに共有できていないことは多々あると思います。

価値観の共有ができればコミュニケーションはかなり改善されるはずです。たとえ価値観が大きく違っても、お互いの価値観を認識するだけでもいいのです。

西 剛志 脳科学者(工学博士)、分子生物学者

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にし たけゆき / Takeyuki Nishi

脳科学者(工学博士)、分子生物学者

1975年生まれ。東京工業大学大学院生命情報専攻卒。博士号を取得後、特許庁を経て、2008年にうまくいく人とそうでない人の違いを研究する会社を設立。世界的に成功している人たちの脳科学的なノウハウや、才能を引き出す方法を提供するサービスを展開し、これまで3万人以上に講演会を提供。著作は20万部のベストセラー『80歳でも脳が老化しない人がやっていること』(アスコム)をはじめ、『1万人の才能を引き出してきた脳科学者が教えるやりたいことの見つけ方』(PHP研究所)、『脳科学的に正しい! 子どもの非認知能力を育てる17の習慣』(あさ出版)など、海外を含めて累計発行部数 40万部を突破。

【脳科学者 西剛志公式サイト】
https://nishi-takeyuki.com

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