「無能と見なされる上司」がやりがちな"悪いクセ" 部下が上司を優秀だと思えない致命的な理由
「え、自分は部下に命令なんてしてない」。そう思う上司もいるかもしれないですが、この「命令」は「これをするように言いつける」ということだけではありません。
たとえば、自分の意見を前面に押し出し、部下がNOを言えない雰囲気をつくる。たとえば、これまでのやり方にこだわり、ほかの人に有無を言わせない。これらは、いってみれば命令です。
一方で部下からの評価が高い上司は、命令は極力使いません。命令ではなく、選択権を部下に与えています。
ポイントは「最後はあなたの判断に任せます」
そんな上司がよく使っているのがBYAF法(あなたに任せる法)というメソッドです。このBYAF法ですが、効果は科学的にも証明されていて、世界でたくさんの論文が発表されている信頼性の高い方法です。
やり方は簡単です。自分の意見をいろいろ伝えます。そして、ポイントは最後のところです。
「最後はあなたの判断に任せます」「最終的にはあなたの自由です」
そう伝えて終わるのです。つまり、自分の意見を押し殺すわけではなく、ちゃんと伝えつつ、選択を相手に委ねる。これがうまくいく人のコミュニケーションです(BYAF法は、But You Are Freeを略したものです)。
繰り返しますが、この方法のポイントは最後の部分です。そこまであれこれと話をしたら、最後に「きみの選択に任せるよ」と、選択権を渡します。
選択権が自分にあると、それは「自分ごと」になりやすい。だから、自分で判断して行動に移しやすいのです。このひと言を添えただけで、相手の行動の確率が2倍に上がります。
「うまくいく人」の多くはBYAF法を活用しています。以前、ソフトバンクの孫正義さんの講演を聞いたことがあるんですが、孫さんもまさにBYAF法の達人でした。
これからの社会に対する危機感、変化などの話を熱く語ったあとに、「これからどんな行動をするかはあなたの選択次第です」という言葉で締めくくっていました。まるで映画のワンシーンの台詞のように。
カリスマ性のある人は、言葉が強く、引っ張っていってくれる人という印象がありますが、実はこのBYAF法を使って、選択権を相手に渡していることがよくあります。実は、そのほうがよりカリスマ性を感じやすくなるのです。
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