つまり、政令指定都市である都市部の子どもよりも、都市部以外の子どものほうがゲームをしているという傾向。程度の差こそあれ、どの都道府県でもほぼ同じでした。
窪田:それは意外ですね。地方には自由に遊べるような場所がたくさんありますし、自然も多いので、当然、都会よりは外で遊ぶ子どもが多いのかと。
平岩:私もそう思っていました。ですが10年ほど前、仕事で久米島に行ったときに、親御さんから「子どもたちが家でずっとゲームをしていて困っている」という話を聞いて。え!こんなに素敵な場所なのに?って、びっくりしたんです。
窪田:美しい海もあるのに……。
平岩:よくよく話を聞いてみると、友達の家までは距離があって、近くに同年代の子どもがいないそうなんです。一度、家に帰ってしまうと友達とは遊べないし、外で1人で遊ぶこともできずに、家でゲームをするしかないと。
窪田:目の成長期に屋内に引きこもってしまうのは、もったいないですね。子どもが減ってきた影響ですか?
平岩:それもあると思います。その後も、地方で同じような話を聞く機会が多くあって。もしかしたら全国で起こっている現象かもしれないと思うようになりました。都市部は放課後のコンテンツが多いので、それが少ないエリアでは子どもたちは家でゲームをするようになってしまうということです。
窪田:ゲームをする子どもたちが増えている背景には、そうした地方の現実もあるのですね。
放課後に学校を使うことを良しとしない“空気”
窪田:家の近くで友達と遊べないのなら、せめて学校で遊べるようにしたらいいと改めて思うのですが。
平岩:そこにはもう一つの難しさがあって。放課後に学校を開放しているところでも、「一度、家に帰らなければならない」というルールを設けているところがあります。
学校から少しでも遠いところに住んでいたら再度学校に行くのは時間的に難しいですよね。
窪田:それは初めて聞きました。