中華製AI「DeepSeek」はNVIDIAを駆逐するか 無料で性能はChatGPTにほぼ引けを取らない

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かなり高度な性能を有するDeepSeekだが、基本的に有料のChatGPT-4oやo1とは対照的にDeepSeekは無料で使える。このため先日、アメリカではアップルのアップストアで提供されるアプリのダウンロード回数でChatGPTなどを抜いて第1位となった。

ただし一般ユーザーにとって、DeepSeekの利用には警戒が必要との声も聞かれる。昨年から今年にかけてアメリカで政治問題となった中国製アプリ「TikTok」同様、DeepSeekを利用したユーザーの個人情報が同社のような中国企業を経由して、中国政府の手に渡る危険性が指摘されているからだ。

これはアメリカのみならず、日本をはじめ自由主義諸国のユーザー全体について当てはまるが、少なくともアメリカではDeepSeekアプリがアップストアで第1位にランクされたことから見て、ユーザーの大半はほとんど気にしていないようだ。

中国の近・現代史や政治問題には回答拒否も

また、DeepSeekは中国の近・現代史や政治問題など答え難い質問には、回答を拒否したり、プロパガンダや虚偽情報を返してくることもある(図4、5)。

(図6)共産党や中国政府の逆鱗に触れる質問には中国語で回答を拒否する(画像:DeepSeek)
(図5)中国国内の人権侵害など政治関連の質問にはプロパガンダを返してくる(画像:DeepSeek)

以上のように中国の政治問題など一部の分野では、DeepSeekの回答はほぼ信頼できないが、裏を返せば、それ以外の大半の領域ではDeepSeekはChatGPT-4oやo1などアメリカ製AIにほとんど引けを取らない。

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