国民・玉木氏が「ネットどぶ板」徹底してきた事情 「ポピュリズム」と「ブロードリスニング」の違い

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――それは”ポピュリズム”とは違う?

違います。いわゆる「ブロードリスニング」というもので、幅広い意見を聞いて、自分たちの政策をブラッシュアップしていくと。国民全員がコンサルタントだと思っています。

インターネットの時代、政治は直接民主主義的になっていく流れは不可欠です。一方で、近代民主主義を設計した多くの思想家たちが言っていたのは、直接民主主義になるとどうしても直情的になるというか、ワンクッション置いて考えることができなくなるということです。

ただ世界を見渡してみると、今は議員のほうが直情的になっていたりするので、むしろその先の民意を聞いたほうが冷静になれる部分もあったりします。膨大にある情報を取捨選択して、本当の民意を探るためにAIを使ってみたりするのもありかもしれない。

誰を「民」と考えるのかを問われている

――ただ国民はときに熱狂的になり、大きな流れが冷静な意見をのみ込んでしまう場合もあります。そういった際にサイレントマジョリティの意見までしっかり吸い上げる姿勢を忘れないでもらいたいですね。

私自身も気をつけているのですが、ネット上で実際にやり取りをしている人たちだけが民意ではない。それぞれに立場があったりで本音をなかなか書き込めない人はものすごく多いです。そういった人たちの意見をくみ取る工夫は重要だと思います。

誰にでも見える表玄関で意見を寄せてもらうだけではなく、例えば、匿名でも構わないのでこのグーグルフォームに書き込んでください、みたいなことも結構やっています。

民主主義の「民主」とはいったい誰のことなのかをしっかり考えたいですね。声の大きい人だけなのか、もっと言うと、今有権者である人だけなのか。ネット上なら今有権者でなくとも15歳以上の若年層の声を広く聴けるけど、それは今の選挙では反映されない声です。

誰を「民」と考えるのか。それを政党や政治家に問われる時代が来ていると思います。

撮影・編集:昼間將太

▼前編

撮影・編集:昼間將太
青山 和弘 政治ジャーナリスト、青山学院大学客員研究員

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あおやま かずひろ / Kazuhiro Aoyama

元日本テレビ政治部次長兼解説委員。1992年日本テレビ入社。1994年に政治部に異動し、以来羽田政権から石破政権まで16の政権を取材。野党キャップ、自民党キャップ、ワシントン支局長を歴任し、国会官邸キャップを2度6年に渡り務める。与野党、省庁を問わない幅広い人脈を持ち、分かりやすい解説には定評がある。2021年に独立し、メディア出演、記事執筆など精力的に活動している。HP:青山和弘オフィシャルウェブサイト

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