老いた親の様子に不安を覚えたらまずこれを! 介護の専門書が必ず役に立つわけではない
工:介護のプロの方でも、自分の家族の介護になると、うまくいかないことがよくあるみたいで、実際に相談を受けたこともあります。仕事での介護は、他人だから気持ちにひと区切りつけられる。でも、自分の家族は、なかなかそうはいきません。
K:知識と実践のあいだには、大きな隔たりがあるんですね……。
工:かなりありますね。わたしが「第3の男」として呼ばれるのは、専門書の向こう側を知りたいというニーズがあるからだと思います。「実際にやってみて、どうか?」「どんな葛藤があるのか?」「仕事を辞めたときの不安は?」といった感じです。
K:まさに、わたしもそんな話を聞きたいと思っていました!
介護保険は初心者には難しすぎる
K:それでは、さっそくですが、くどひろさんが、わたしのような老いた親に不安を抱えていて、でもなにをしたらいいかわからない人に対して、「これだけは伝えたい!」ということがあれば聞きたいのですが、なにかありますか?
工:介護保険を学ぶことですね。わたしの父が脳梗塞で倒れたとき、ヘルパーさんに頼るとか、デイサービスを利用するとか、そういった介護のプロにお願いする発想がこれっぽっちもなかったんです。その後悔があって、介護がはじまる前に介護保険の知識があったほうがいいと、これまでの自分の本には書いてきました。
K:介護保険ですか……。でも、くどひろさん、いきなり介護保険と言われても、かなりハードルが高いと思うんです。そもそも、親の老いや介護がどういうものかさえわかっていない超初心者なので……。
工:たしかに……。いくら本や講演会で「親が倒れる前から介護保険の勉強をしてくださいね」とお伝えしても、なかなか響かないなとは感じていました。
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