TOP1%で合格の米国内科医が推す効果的な勉強法 大事なところに下線を引くだけで大丈夫?

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つまり、これらの勉強法に効果が全くないとは言い切れないものの、ただ読む、ただ書く、ただ線を引くだけで得られる効果は「限定的」だということです。

「勉強した気になる」錯覚が問題

問題は、これらの勉強法をただやるだけで、「わかった気になってしまう」「勉強した気になってしまう」ことです。

例えば再読では、同じ文章を2回目に読む時のほうが文章に慣れすらすら読めるため、わかった気になってしまいます。そのため、さらに理解を深めたり、覚えたりするといった深い情報処理が新しく行われにくいことが考えられます。

表面的に情報が処理しやすくなったことで、実際には内容を記憶し深く理解していないにもかかわらず「覚えた気になってしまう」「理解した気になってしまう」心理的な現象は、「流暢性の錯覚(幻想)」と呼ばれています。何かを学習する時には、この流暢性の錯覚に気を付けなければなりません。

私たちの脳は、実際にはしっかり記憶して、深く理解していないのに、自分の知識や習熟度を過大評価してしまうことがあるのです。

英単語の単語帳をパラパラめくり、見覚えのある単語が並んでいるのを見て、なんとなくその意味や使い方を覚えている気になってしまう。授業中に書いたノートを見返し、見覚えがあるため、覚えて理解していると思ってしまう。そんな経験がある人も多いのではないでしょうか。

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参考書のポイントだと思う箇所や、英単語帳から英単語をノートに丁寧に書き写したり、まとめたりすることも、それだけで達成感があり、「勉強した気」になってしまう行為です。

ハイライトや下線を引くという勉強法にも個人差があると言われています。つまり、強調する場所を選ぶのがうまい学習者もいれば、そうでない学習者もいて、そのハイライトした教材をどのように勉強するのかも人によって違ってくるのではないかということです。

私自身は本や教科書、学術論文などを読む時、ハイライトしたり下線を引いたりすることがよくあります。昔から使い慣れている日本の蛍光ペンをアメリカでも購入して使っているくらいです。大事なところは蛍光ペン、それよりちょっと重要性は落ちるけれど強調したい箇所は赤いペンで下線と、使い分けることもあります。

ハイライトや下線を引くことは、それほど手間がかからないことと、繰り返し通読することはしないので、あとで覚え直すところ、何か資料として使えそうなところはマークしておきます。

しかし、再読と同じで、あまり効果がないにもかかわらず「勉強した気になってしまう」ことがある点には注意し、ハイライトや下線を引くだけで終わりとしないことは覚えておいてください

安川 康介 米国内科専門医・米国感染症専門医

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やすかわ こうすけ / Kousuke Yasukawa

米国内科専門医・米国感染症専門医。南フロリダ大学医学部助教。

2007年慶應義塾大学医学部卒。日本赤十字社医療センターにて初期研修後、渡米。米国ミネソタ大学医学部内科研修、テキサス州ベイラー医科大学感染症研修修了。

YouTube(米国内科専門医 安川康介の医学チャンネル)

X(安川康介@米国内科専門医)

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