中森明菜「2024年の復活劇」でファンに与えた衝撃 今年はたくさんの歌声と元気な姿を披露してくれた
遡れば、Twitter(現X)に「中森明菜@akinan_official」というアカウントが立ち上がったのは2022年8月30日。デビュー40周年を迎え、再始動に向け新たな個人事務所を設立したという嬉しい報告が直筆で書かれていた。ただ、同時に体調がまだ追いつかないことも記されていた。
「ゆっくりになってしまうと思いますが、歩き出していきたいと思いますので、どうか見守っていただけると嬉しいです」
という一文に、焦らずゆっくり待とう、と思った人も多かったことだろう。幾度となくトラブルや体調不良で活動休止を余儀なくされてきた中森明菜。SNSでも「明菜ちゃんが元気ならそれでいい」といったコメントをいくつも見かけた。姿を見るのは先でもいい、これまでも待ったのだから、ゆっくり待つ、と。

「中森明菜 オールタイムリクエスト」に本人降臨
中森明菜のデビューは1982年。「花の82年組」と言われたアイドル豊作時期の中、高い歌唱力とドラマ性を漂わせ、一躍大スターとなった。
ただ、彼女自身から野心はあまり感じなかった。それよりも、周りを喜ばせるため、類稀なるセンスと才能、ストイックな姿勢で取り組むことで、自然と時代のトップを走っていた、という雰囲気だった。
歌の中に純愛のきらめきを練りこんだかのような『スローモーション』『セカンド・ラブ』『トワイライト -夕暮れ便り-』。自立心のある、けれど寂しがりやの少女が浮かんでくる『少女A』や『十戒』。
19歳のときに井上陽水とタッグを組んだ『飾りじゃないのよ涙は』は、少女から大人になる瞬間のエネルギーと憤りがほとばしっていた。
玉置浩二『サザン・ウィンド』、佐藤隆『AL-MAUJ』、元C-C-Bの関口誠人『二人静ー天河伝説殺人事件』など、個性あふれるミュージシャンとのタッグ曲は、続けて聴くと、旅をしているような気分になる。
オリジナル楽曲の他に、1994年から続いたカバーアルバム「歌姫」シリーズも、本家とはまた違う、哀愁の濃度多めの異世界に誘われるような名歌唱だらけだ。
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