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世界で通用する、共通言語となりうるMBA 慶應義塾大学の修士課程MBAプログラム

  • 制作:東洋経済企画広告制作チーム
「グローバル人材」という言葉を聞く機会が増えている。その育成やマネジメントが急務であるとも言われる。日本企業における人的資源管理(HRM)のあり方が問われるところだ。それに対して、慶應義塾大学大学院経営管理研究科(KBS)の大藪毅専任講師は「この20年でビジネス状況が大きく変化し、旧来のHRMでは対応できなくなりつつある」と指摘する。
こうした中で、ビジネスパーソンは自分のキャリアをどのように磨く必要があるのか。また、KBSは、そのニーズにどう応えようとしているのか。大藪講師に解説してもらった。

ビジネスにパラダイムシフトが起き
日本企業のHRMにも変化が求められる

日本のビジネスパーソンは今、自分のキャリアをどのように考えるべきなのか。さらに、そのためには、どのような知識や能力が必要とされているのか。

その答えを得るためにはまず、日本企業を取り巻くビジネス環境の変化を理解しておくべきだろう。慶應義塾大学大学院経営管理研究科(KBS)の大藪毅専任講師は次のように説明する。
「ビジネスの本質は付加価値の生産にほかなりません。ただし、その形態に大きなパラダイムシフトが起きています。具体的には『連続・改良型』から『非連続・創出型』への転換です」

大藪 毅
慶應義塾大学大学院 経営管理研究科
慶應義塾大学ビジネス・スクール 専任講師

大藪講師によれば、日本企業は自動車や家電など複雑な工業製品づくりや、鉄鋼や化学など重厚長大産業に見られるように、現場での経験や工夫を積み重ねることが得意だという。だがこの20年ほどで、この自動車やテレビのモデルチェンジに見られる「連続・改良型」から、「非連続・創出型」へと、世界的にビジネスの性質が変わっている。

「たとえばスマートフォンの登場と進化により、携帯ゲームなど、さまざまなイノベーションが起き、新たな市場が生まれました。次の製品はこの延長上にあってはいけません。これからの企業は常に、『予想を裏切る』商品・サービス・事業開発を生み出し続けることが求められています」企業にとっては、厳しい時代の到来と言えそうだ。

大藪講師はさらに「企業経営が『輸出モデル』から『グローバルモデル』に転換しています」と指摘する。
画期的な商品やサービスを数年おきに生み出そうとすれば、国内の人員と組織では不可能である。そのため、人材についても、現地採用だけでなく、優秀な社員の採用や育成・活用が不可欠になるという。

「要はビジネスの変化が激しくなり、企業の活動範囲も異文化圏へ拡大、仕事の専門性も格段に上がった。今までとは異なるレベルの幅広い知識と経験をもち、臨機応変に対応できる人材が必要だが、そういう人は社内にいない。これまでは組織の枠内で、それもOJTによって育成すればよかったが、それでは追いつかない、ということですね」

専門性やプロフェッショナルを磨く職種志向と
広く深いビジネス見識が必要

安定雇用や年功制は、組織への高いコミットメントや、職務にじっくりと取り組む姿勢・意識を醸成する一方で、「日本企業の終身雇用や年功序列は崩壊する」などと語られることも多い。

大藪講師はそれについて「『日本企業は、いまだに終身雇用や年功序列があるからダメだ』などと語られることがありますが、それは大きな誤解です。日本企業の多くで、20年ほど前から、終身雇用や年功序列はかなり後退しています。どの企業も、仕事のできない人に高い給料を払っている余裕はありません。むしろ、入社後早い段階で昇進や昇給に差をつけるところが珍しくなくなっています」

社会の意識も変化している。1990年代には、リストラや能力・業績主義による終身雇用イメージが低下した。転職労働市場も拡大している。そのため、会社志向よりも、専門性を磨きたいというプロフェッション志向の人が増えているという。

また「マーケット需要・ビジネス・技術の環境変化が速くなっています。中央集権型の組織ではこれに対応できません。日本企業でもタスクフォースなど、状況に応じて柔軟に意思決定できるチームユニット型の働き方が、この20年で一般的になりました」

欧米、特に米国では職務ベースの人材マネジメントが一般的だ。プロジェクトが発足すれば職務に応じた人材が集められ、それが終了すれば別のプロジェクトに移ったり、人によっては他社に転職したりする。拠点の設置なども流動的だ。かつて、米国系の金融機関の多くが東京に拠点を置いたが、現在では上海やシンガポールなどに移している。異動したくない人材は転職せざるを得ない。

「日本で一般的な定期移動もいわば社内転職です。理論的には転職と同じく、労働市場における人的資源の調達と配分であり、それが組織を軸とするか、プロフェッションを軸とするか、の違いです」。

日本企業では、OJTなどを通じて、時間をかけて人材を育てるといった手法が一般的だった。このような従来型の人材育成はなくなっていくのだろうか。

「年功制にも職務制にもそれぞれ、メリット、デメリットがあります。二者択一にはなりません。日本企業では仕事の性質に応じて使い分ける、ハイブリッド型が多くなるのではないでしょうか。ただし前述のように、とにかく変化が早い時代、長い時間をかけて人材を育てるのは現実的ではなくなっています。生き抜く個人としても、スキル習得にくわえて、もっと長期にわたって変化の構造を読めるように幅広く深い見識を磨くことが、成長の定義となる時代ではないでしょうか」
企業にとっても、そこに勤める人にとっても、スキルアップの目標が重要になりそうだ。

「グローバル人材」の教育手法も
  進化し続けている

「グローバル人材」という言葉を聞くことが多くなっている。その定義は一つではないだろう。

大藪講師は「たとえば、海外に出て行ってものを売ろうとした場合、現地に支店をつくればいいかというとそういうわけではありません。ビジネスには必ず相手があります。交渉ごともあります。また、一人でできるものでもありません。国籍が異なる人とチームを組んで、一緒に課題を解決しながらプロジェクトを遂行できるのがグローバル人材だと言えます」

折しも、日本企業ではダイバーシティーへの取り組みも注目されている。

「ダイバーシティーの本質の一つは概念は、人材ポートフォリオです。かつて、社員と言えば、男性・総合職・正社員を差しました。女性や一般職、非正規社員は補助的な位置付けでした。現在は、政策の後押しもあり、学歴、性別、国籍などを問わず、また、正規・非正規を問わず、多様な人材を本格的に戦力化しようとする企業が日本でも増えています」

定年延長による高齢者の活用も進みつつある。多様な人材をチーム化して生産性を向上させることも、これからのビジネスリーダーには欠かせない役割になる。
「ここでは、かつてのように、『オレについてこい』といったマッチョ(男性的)なリーダーシップではなく、『サーバントリーダーシップ』など、支援を通じて個人の主体的な協力を促す『柔らかい』リーダーシップが求められるでしょう」

大藪講師によれば、このようなリーダーシップ論や教育法も、この20年間で大きく進展しているという。

「毎年のように新たな概念が生まれています。グローバルに活躍するビジネスリーダーは、スキルアップについても、世界の最先端の情報や手法をキャッチアップしています。日本のビジネスパーソンにも、ぜひ乗り遅れないようにしてほしいと願っています」

わが国初のビジネススクールとして
時代に応じたビジネスリーダーを育成

大藪講師が指摘するように、マーケット需要・技術・ビジネス環境が刻々と変化している。このような状況下で、ビジネスリーダーを目指すにはどのようなスキルを身に付ければいいのだろうか。

「海外に出ると、一流企業では、経営者はもちろんのこと、マネージャーは経営学士(MBA)を持っていることが普通です。同じプロジェクトで仕事をする場合にも、共通言語となりうるMBA標準の知識や判断プロセスがあることで、信頼関係の構築にもつながります」

もちろんそのためには、どこのMBAで学ぶか、すなわちMBAプログラムの質が重要になるが、その点で頼もしいのがKBSだ。

KBSは1962年、「経営専門家の養成教育実施」を目指す、日本初の大学ビジネススクール「慶應義塾大学ビジネス・スクール」として創立された。さらに78年には修士課程を、91年には博士課程を開設している。

KBSの最大の特色が、「慶應型ケースメソッド」だ。ケースメソッドとは、学生が、ケース(実際の企業や組織が直面する経営課題を記述した教材)を事前に読み込んだ上、各人の分析結果や意思決定の内容、その理由を教員のリードのもとで発表し、議論する授業形式である。 「議論に参加しなければ授業に出ている意味はありません。自分の意見をどうまとめ、どう話せば相手に伝わるか。その経験は、実践力につながるでしょう。中には英語だけで行う授業もあります。最初は片言しか話せなかった学生が、しばらくすると立派に英語で議論できるようになります。

KBSには私を含め、海外で学んだ経験を持つ教員も数多くいます。海外の大学とのネットワークも活用できます。卒業後も財産になるのではないでしょうか」
転職を目指している人や、休職しさらなるスキルアップを目指している人もいます。最近では、学部を卒業した後、そのままKBSに入学する人も増えています」   KBSの卒業生には、国内外のグローバル企業から引き合いが多いという。 「本当の意味でのグローバル人材、グローバルリーダーをKBSが輩出できていると自負しています」と大藪講師が語るように、社会からもその教育・研究の質が認められている。