決戦目前、10.27総選挙後の「株価下落」を警戒せよ エミン・ユルマズ氏に聞く「衆院選の行方と株価」
国民はインフレを何%と実感しているか。私の感覚ではざっと10%じゃないかと思うんですよ。少なくとも自分がよく行っている飲み屋さんやご飯屋さんとか、よく買っているお菓子とか、そういうものは軒並み10%ぐらい上がっています。
実は日銀が「生活意識に関するアンケート調査」というのを出していて、最新の数値だと14.5%(「1年前に比べ、物価は何%程度変化したか」を聞いた数値)です。
もちろん、その最大の理由は食料品や生活必需品の値上がりです。食料品の値上がりでエンゲル係数(家計の消費支出に占める食材費の比率)が高くなっているということは、全体としては日本人の購買力が減ったということです。
1週間に2回飲みに行けたけれども、今は1回しか行けない。2年に1回海外旅行に行けたけれども、今は高くていけない。こういう不満の蓄積がある。だから今回、石破(茂)首相は難しいところで政権を任された。
過半数割れすると株価にはマイナス
――与党が過半数割れをすると、株価が反応する可能性がある?
あります。かなりマイナスです。立憲民主党は金融所得課税を20%から25%に引き上げる発言をしている。石破さんも最初は似たようなことを言っていたけれども、その後に変えて、岸田政権の路線を継続する、貯蓄から投資へという資産運用立国にするという意味で、金融所得課税の強化をあきらめた。
もう1つ、立憲民主党はインフレ目標を「0%超」としているが、これはインフレにならなくていいよと言っているようなもの。もう1回デフレに戻すような、少なくともデフレの国民生活が楽だったんじゃないかと思っている。
おそらくそれはそのとおりですけれども、先ほども言ったように、インフレになって賃金が追いつくまではタイムラグがある。
立憲民主党がそうとう力をつけて、自民党が負けるような結果は、相場にとってこれはかなりの売り要因です。
不安定要因、不安定さをマーケットは嫌います。(衆院選投開票日の)27日以降は、やはり警戒は必要だと思いますね。
記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
印刷ページの表示はログインが必要です。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
無料会員登録はこちら
ログインはこちら