パレスチナのガザ地区に始まり、イスラエル北部からレバノン南部でのヒズボラ、さらにはイランへと、イスラエルの戦線は日ごとに拡大し続けている。
1年前、ハマスの急襲攻撃で多数の死者と人質を出し失脚の瀬戸際に立たされたイスラエルのネタニヤフ首相は見事に復活し、今や向かうところ敵なしの状況だ。
ガザでのハマスとの戦いでイスラエルは大量の地上軍を投入し、4万人以上のパレスチナ人の命を奪うとともにハマスを壊滅状態に追い込んだ。北の敵であるヒズボラに対しては、彼らが使用するポケベルを一斉に爆破するという奇策に続き、最高指導者のナスララ師をはじめほとんどの幹部の殺害にも成功した。
現在はレバノンへの地上侵攻と首都ベイルートなどへの激しい空爆を続けるなど「第2のガザ」を目指している。
戦線拡大を続ける思惑とは
こうした状況を前に、ハマスやヒズボラを裏で操っているイランがついにイスラエルに対するミサイル攻撃に踏み切った。イラン攻撃の口実を求めていたネタニヤフ首相にしてみれば、まさに思うつぼである。ハマス、ヒズボラ、イランという敵対勢力との戦いは、これまでのところネタニヤフ首相の思惑通り進んでいるようだ。
もちろんアメリカなどはイスラエルに対し停戦合意の働きかけを繰り返したが、ネタニヤフ首相はまったく聞く耳を持たなかった。
彼が戦線を拡大し続ける意図はなにか。8月のアメリカの雑誌『TIMES』 のインタビューでその一端が語られている。
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