人口減少社会の到来
国勢調査は、日本に住んでいるすべての人および世帯を対象とする国の最も重要な統計調査で、日本国内の人口や世帯の実態を明らかにすることを目的に行われます。その結果、はっきりと見えてくるのが、日本という国の情勢です。
では、その一番の基本となる日本の人口はどうなっているのでしょうか。前回の2010年に行われた国勢調査では、日本の人口は、1億2805万7352人でした。第1回調査での人口は5596万3053人。第2次世界大戦後も増加を続けていましたが、高度成長期を経て、1975年以降、伸び率はゆるやかになっていきます。
前回の調査では、5年間の人口増減率は0.2%と調査開始以来最低となりました。そして、今回の2015年の調査では、日本の人口が初めて減少に転じると言われています。
なかでも、特に注目されるのが、65歳以上の人口です。2010年の調査では、2925万人と全体の2割を超え、同時に増加傾向にあります。それ以外の年齢層は減少傾向にあり、日本は明確に少子高齢化しているということが見てとれるのです。欧米の先進国と比較しても、少子高齢化のスピードは際立っており、それが今後日本の将来にどのような影響を与えるのか、現在、さまざまな議論がなされています。

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日本の人口は世界第何位?
次に世界と日本を比べてみましょう。2010年の世界の人口は69億1600万人、そのうち、日本は1億2800万人で1.9%を占めています。では、世界の中で日本の人口は何位になるのか、皆さんはご存じでしょうか。
正解は10位です。1位は、中国で13億6000万人。2位がインドで12億600万人、3位はアメリカで3億1200万人、日本の一つ上の順位の9位はロシアで1億4400万人です。実は先進国の代名詞であるイギリス、フランス、ドイツなどのEU諸国は、意外にも1億人以下の人口なのです。
日本がこれまで経済成長を続けてこられたのは、小さな島国であるにもかかわらず、世界有数の人口を擁していたことが、大きな要因となっていました。つまり、一国の経済の繁栄は、人口の数が大きく影響すると言えるのです。
そのため、エコノミストたちがある国の経済予測をする場合、その国の人口データがすべての予測の基本となっています。その意味で、人口の多い、中国、インド、アメリカは今後も経済成長が続くと言われています。
沖縄以外の全都道府県で高齢者が増加
今、日本は人口減少という大きな転換期を迎えていますが、さらに細かく都道府県別に見ると、どうなのでしょうか。国内で最も人口が多いのは東京都で1316万人、最も少ないのは鳥取県の59万人になります。人口の多い都道府県としては、東京都に次いで、神奈川県(905万人)、大阪府(887万人)、愛知県(741万人)、埼玉県(720万人)、千葉県(622万人)、兵庫県(559万人)、北海道(551万人)、福岡県(507万人)及び静岡県(377万人)となっており、これらが300万人を上回る都道府県となっています。
そのうち埼玉県、千葉県、東京都、大阪府は人口増減率が上昇していますが、そのほかの県は人口増加率が緩やかになったり、もしくは人口増加から減少に転じています。
また、都道府県ごとの年齢別人口を見ると、15歳未満の人口では、沖縄県が17.8%と最も高く、最も低いのは東京都の11.4%。15~64歳人口では、東京都が68.2%と最も高く、島根県が58.0%と最も低くなっています。65歳以上人口では、秋田県が29.6%と最も高く、最も低いのは沖縄県の17.4%で、15歳未満人口と65歳以上人口を比較すると、沖縄県を除くすべての都道府県で65歳以上人口が15歳未満人口を上回っているのです。

女性の未婚率が上昇
今後、日本経済の将来を見るためには、人口が減少していく中で、どのような現象が起こっているのか、またそれを踏まえてどのようなビジネスを展開していくべきなのか、といった視点が必要になってきています。
例えば、日本の世帯数は5000万世帯を超えていますが、それを家族類型別に見ると、「単独世帯」が1679万世帯と、「夫婦と子供から成る世帯」の1444万世帯を上回っています。「単独世帯」が全世帯の32.4%を占め、最も多くなっているのです。
「単独世帯」が多いということは、若年層に未婚者が多いということが想像できます。実際のデータを見ると、特に25~29歳女性の未婚率は6割を上回っており、30~34歳女性でも3割を超えています。未婚率の上昇は、日本の少子化の大きな要因であり、今後どれくらい上昇していくのかが各方面で大きく注目されています。またビジネスにおいても未婚の女性をどのようにターゲットにしていくか、考えていく必要があるでしょう。
こうした日本を取り巻く状況が、国勢調査を見ればわかるのです。今後あらゆる地域にとって、人口が減少していく中での生活環境・ビジネス環境づくりが重要になってきます。その点でも、今年の国勢調査には非常に注目が集まっているのです。