三つ折り式のスマホは画面の一部を外側に向けて折り畳む必要があり、技術的な難易度が高い。
「Mate XTの量産で最も難しいのは、画面モジュールの歩留まりの確保だ。そのために(素材や部品からの)サプライチェーン全体の技術力が試されている」。前出の朱氏はそう指摘する。
また、市場調査会社カウンターポイントのシニア・アナリストを務めるイーサン・チー氏は次のような見方を示した。
「ファーウェイにとって、Mate XTの投入は折り畳み型スマホの市場でパイオニアとしての地位を固めると同時に、より複雑な折り畳み型スマホの開発ノウハウを蓄積できるメリットがある」
高級イメージの形成に有利
中国のスマホ市場が全体的に伸び悩む中、折り畳み型スマホは数少ない成長分野になっている。市場調査会社IDCのデータによれば、中国市場での折り畳み型スマホの販売台数(出荷ベース)は2023年に700万7000台と、前年の2.15倍に拡大した。
同年のメーカー別の市場シェアは、ファーウェイが37.4%で首位を獲得。OPPO(オッポ)が18.3%で第2位、栄耀(Honor)が17.7%で第3位につけた。
財新記者の取材に応じた複数の業界関係者は、Mate XTが今後のスマホ市場に与えるインパクトについて次のように予想した。
「最近のスマホ市場は(消費者の買い換え意欲を刺激する)イノベーションの端境期にある。そんな中、三つ折り式スマホの登場は少なくとも外観上の(目に見える)変化をもたらした。それは高級ブランドとしてのファーウェイのイメージを高め、同社のスマホ全体の販売に有利に働くだろう」
(財新記者:劉沛林、覃敏)
※原文の配信は9月10日
記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
印刷ページの表示はログインが必要です。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
無料会員登録はこちら
ログインはこちら