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日本の検診・健診が抱える"深刻な問題"とは何か 検査には利益だけでなく受診による不利益もある

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  • 井伊 雅子 一橋大学 国際・公共政策大学院教授

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(写真:YsPhoto/PIXTA)

日本の医療・介護制度は「世界に冠たる皆保険制度」といわれるが、皆保険制度を持つ国や地域は多い。それらの国や地域では行政機関が医療の質の評価を責任を持って行い、その開示を含め医療や健康に関する情報をわかりやすく発信している。そうした情報発信は医療サービスの提供に公費を投入しているすべての国や地域で必須とされているが、日本ではたいへん遅れている。

しばらく前、グーグルマップに表示される「クチコミ」に不当な内容を投稿されたとして、日本人医師らがグーグルに対し損害賠償を求める訴えを起こした。日本では医療機関、疾病予防や健康維持・増進などに関する信頼できる情報源を見つけるのが難しく、テレビや雑誌、ネット、家族・友人が情報源になることが多い。

例えば、日本には地方自治体や職場のがん検診、健康診断・診査(健診)、個人が自発的に受ける人間ドックなど、多くの検査があるが、その対象範囲や頻度を臨床研究のエビデンスを基に検討する仕組みはほとんどない。雑誌メディアなどには、予防や早期発見のメリットばかりを強調した広告が掲載され、高額な検査を多数受けないと重篤な疾患を見逃してしまうとばかりに読者の不安をあおる。

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