「投資家主権の確立」で資産運用の新時代をつくる 多様な商品ラインナップと時宜をえた情報提供
「成長と分配の好循環」を実現するために
有田 政府は「資産運用立国」を打ち出しています。家計金融資産の半分以上を占める現預金が投資に向かい、それを受けて企業価値が向上し、その恩恵が家計に還元されてさらなる投資や消費につながる、いわゆる「成長と分配の好循環」の実現を掲げています。
SBIグローバルアセットマネジメントは、インターネット上での金融商品の提供などで投資の裾野を広げてこられたわけですが、現状をどのように見ていますか。
朝倉 私どもは1998年3月の創業当初より、顧客中心主義を徹底し、「投資家主権の確立」をめざしてきました。インターネットをはじめとする革新的な技術を積極的に活用してきたのは、低コストで利便性の高い金融サービスを提供するためです。新NISAなどをきっかけに投資を始める方が増えてきましたが、当社がこれまで投資にかかるコストを下げてきたことで、その下地をつくってきたと自負しています。
有田 個人が投資しやすくなってきたことは、非常に大きな変化だと感じます。日本は従来、銀行が資金の出し手である預金者からお金を集め、企業に融資する間接金融で経済を支えてきました。
しかし、資本市場が発展すれば、投資を通じて経済が成長するようになります。直接金融へ移行することで、企業や国がさらに成長して多くの人に富が還元され、「成長と分配の好循環」が実現しますので、資産運用会社の役割はますます重要になっていきます。
低コストで利便性の高い商品が投資の裾野を広げる
朝倉 同感です。間接金融から直接金融へ移行することで、企業や国は個人から資金調達を行うことになるので、個人が投資しやすい環境を整えなくてはなりません。個人と企業と資本市場をつなぐ資産運用会社は、いかに良質な商品を提供できるか、今まで以上に問われるでしょう。
有田 ブラックロックのパーパス(存在意義)は、より多くの人々が豊かな生活を送ることができるようサポートすることです。資産運用を通じて経済発展を支え、社会全体をさらに豊かにするために存在しているともいえます。
社会全体を豊かにするには、投資を一部の限られた人だけではなく、多くの人たちにとって身近なものにしなければなりません。だからこそ、グローバルな資産運用会社として、世界の金融市場に投資する選択肢を日本の投資家にご提供することがブラックロックの重要な役割の1つだと考えています。例えば、私たちは「iシェアーズ」というブランドのもと、さまざまな種類のETFを日本の投資家の皆さまに提供しています。
朝倉 貴社のパーパスと、私どもが掲げる「投資家主権の確立」は、根本的なところで理念が合致していると感じます。特にお客さまにご負担いただくコストは資産を運用していく上で非常に大切な要素であることから、良質かつ低コストファンドの提供に努めています。
有田 資本市場の成熟化に伴い、コストと質の両立は今後ますます求められていくでしょう。日本や米国などの代表的な株価指数と連動するETFは、金融市場に大きなイノベーションをもたらしました。「iシェアーズ」を通じて、低コストで分散投資が容易にできるETFの利便性の高さを、もっと広めていきたいと思っています。
ビジネス力向上につながる投資教育サービスも視野に
朝倉 もう1つ、資産運用会社が果たすべき役割として重視しているのは、商品の品揃えを充実させることです。
個人投資家の多くが経験されていると思いますが、投資を行うことによって自然と世界のさまざまな情勢を学ぶようになります。また、自分に合ったポートフォリオの作成に興味を持つことで、株式ならば米国株だけでなく日本株、最近はインド株も注目されていますし、金や債券といった資産クラスなども視野に入ってくるでしょう。
そうしたものを自ら学んで選び、組み合わせて投資するほうがやはり納得ができますし、満足感も高いと思うのです。そのためにはスマートフォンで取引を完結できるといった利便性に加え、低コストで良質な商品を幅広く揃えることが重要です。
有田 実際に投資をしてみないとなかなか金融リテラシーは身に付かないので、選択肢を増やすことは非常に重要ですね。
また、資本市場を発展させるには社債市場の整備も必要になってきますが、個人投資家の需要の高まりがそうした機運の醸成にもつながるはずです。その意味でも、選択肢を増やすことで投資の裾野を広げていくことは大いに意味があると思っています。
朝倉 本当にそうですね。世界最大級の資産運用会社であり、ETFのプロバイダーであるブラックロックは、世界中の情報が集まっているので、「中立・客観的な立場から豊富で偏りのない金融情報の提供」に力を注ぐ私どもにとってもありがたい限りです。
今後は、投資教育を含めた新しいサービス展開も共に取り組みたいと思っています。そうすることで、投資に取り組むビジネスパーソンが、社会や経済の情勢などへの関心をより深め、日々の仕事にも生かしていただけるのではないかと考えています。
商号等:株式会社SBI証券
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