1961年式レトロで可愛すぎるキャンパーの正体 元祖ポップアップルーフともいえる歴史的1台

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これについて、少し調べてみたが、1960年代初頭には、フォルクスワーゲンやメルセデス・ベンツをベースとしたキャンピングカーなどに、ポップアップルーフを架装したモデルは存在していたようだ。例えば、ポップアップルーフで有名なドイツのウエストファリア(Westfalia)というコーチビルダーなどが、そうしたモデルを製作した実績を持つ。この点から、つまり、ポップアップルーフは、少なくとも半世紀の歴史を持つ装備といえるのだ。

そう考えると、1961年式のベッドフォード・CA ドーモビルに、ポップアップルーフが装備されていたとしても不思議はない。意外にも歴史があり、近年のキャンピングカーにも脈々と受け継がれている装備のひとつが、ポップアップルーフなのだ。

価格・まとめ

ポップアップルーフには車内からアクセスする形になっている
ポップアップルーフには車内からアクセスする形になっている(筆者撮影)

なお、今回展示されたベッドフォード・CA ドーモビルの価格(税込み)は、898万円。かなりレアなモデルだし、内外装も十分にきれいだ。エンジンやミッションなども換装され、走行性能もアップしているし、ポップアップルーフなど車中泊を楽しむための実用装備も確保されている。これらを考えれば、ある程度の価格になるのは当然といったところだろう。しかも、レトロでどこか愛嬌のある雰囲気などは、最新のモデルにはない味わいもある。こんなクルマなら、ハリウッドの古いロードムービーのような、のんびりとしたクルマ旅を満喫できそうだ。

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ちなみに、販売を手がけるClassic Camper Japan by RANGERSでは、以前からベッドフォード・CA ドーモビルを複数台扱っており、別の車両では、キッチンカーとして購入したユーザーもいたという。このモデルが持つおしゃれでポップなたたずまいは、確かに街中でも目を惹くだろうから、そうした用途にも合いそうだ。

ともあれ、ポップアップルーフという現在の人気装備が、じつは歴史あるもので、時代とともに進化してきたことを実感させてくれたのがベッドフォード・CA ドーモビル。日本では珍しく、あまり知られてもいないが、そういった意味では、十分に名車といえる1台ではないだろうか。

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平塚 直樹 ライター&エディター

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ひらつか なおき / Naoki Hiratsuka

1965年、福岡県生まれ。福岡大学法学部卒業。自動車系出版社3社を渡り歩き、バイク、自動車、バス釣りなどの専門雑誌やウェブメディアの編集者を経てフリーランスに。生粋の文系ながら、近年は自動運転や自動車部品、ITなど、テクノロジー分野の取材・執筆にも挑戦。ほかにも、キャンピングカーや福祉車両など、4輪・2輪の幅広い分野の記事を手掛ける。知らない事も「聞けば分かる」の精神で、一般人目線の「分かりやすい文章」を信条に日々奮闘中。バイクと猫好き。

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