中央アジア「ATMと米ドル」使えない国・使わない国 日が暮れてからトラブると途方に暮れまくる
大切なポイントなので繰り返すと、米ドルがないと旅ができないのである。
という非常に重要な情報は、準備不足を自慢するような“知らぬが仏”派なもので、まったく知らなかった。キルギスあたりでようやく、
「このあと、ATMが使えない国があるらしいから、できるだけ米ドルを下ろしといたほうがいいかも」
Yukoが言ったけれど、なぜかピンっとこなかった仏である。
首都ビシュケクでは、米ドルを下ろせるATMは1台しかなく、それが高級ホテルにあるので着ていく服がなくて尻込みし、ほとんど米ドルを下ろさなかった。
ウズベキスタンの首都タシケントでも“米ドルATM”は1台だけ。1回に100ドルしか下せないから、闇両替えしては生活費に消えた。出かけるのが面倒くさくて、米ドル貯金はあまり増えなかった。けど、鼻毛が1本増えたほどにも気にしていなかった。
ATMがお休みでピンチ
タシケントを出て1週間ほど地方をまわったとき、
「明日トルクメニスタンに入るんだけど、日本の銀行カードが使えるATMはないって」
ひとつも?
「ひとつも!」
ってことは米ドルを両替えするしかないではないか! って、前日にしてようやく仏の琴線がピンピンしたのである。
いま、米ドルっていくらあるの?
「1500ドルくらい」
日本円で十数万円かあ、その金額でトルクメニスタンとイランの2カ国をまわると、どこかで破産しちゃうよね。明日、朝一番で銀行をまわろう!
と言った翌朝、ATMが休んでいた。通りかかった人が、土曜日は休みだよ、と言った。