｢減災｣により入居者を守り
地域の防災拠点となるサ高住とは 積水化学工業 住宅カンパニー

「私どもの建物は停電した場合、主に共用部で電力を確保することで入居者の安全を確保する計画としています。また、セキスイハイムの建物は、省エネ性を実現しながらも、高齢の方々には大敵な冬場の『ヒートショック』も抑えることが可能です」（有原主席技術員）

工場生産で実現した高品質かつ短工期

工場内では、建築現場では使えないような大型機械を駆使することで、短期間で精密な組み立てを実現

セキスイハイムの高齢者向け住宅・施設であるハーベストメントシリーズは、ハウスメーカーとして長年にわたり培ってきた住まいづくりの技術・経験と、グループ会社が展開する在宅介護事業所を通じて蓄積してきたノウハウによって生み出されたものだ。サ高住をはじめ、グループホーム、有料老人ホーム、デイサービス、小規模多機能型居宅介護施設など、さまざまなタイプの建築物で実績を上げている。

「そもそも『ハーベストメント』の意味は、harvest〈実り〉、best〈最良の〉、（apart）ment〈住まい〉の造語。長年ご苦労をされてきたご高齢者の方々に敬意を表し、『人生の実りある今この時を、多くの方とともに分かち合うために、最良の住宅で過ごしていただきたい』という私どもの思いを具現化しました」と有原主席技術員は熱く語る。

「もう一つ」と補足するのは、永田亮主任技術員だ。

写真右上:耐久性、耐候性に優れたステンレス素材を採用したフラット屋根は、自然災害にも強い
写真左・右下:太陽光発電システムと蓄電池によって、停電時にも最低限の電気を確保できる
 

「セキスイハイムの住宅は大半を自前の工場でつくっています。部材・部品は当社とそのグループ会社から供給しますので、高い品質と安定的な価格を維持できます。しかも、ネジ一本にいたるまで一つ一つをコンピュータで管理しているので、お客様への納期がお約束でき、また建築後に万一不具合が発生しても瞬時に追跡調査が可能で、いち早くリコール対応ができます」

雨風の影響を受けることなく、高品質・短工期を維持することができ、迅速かつ緻密なアフターサービスも期待できるということだ。

一口にサ高住と言っても、土地活用としての事業性を考えれば付加価値を高めなければならない。その一つの解は、「地域の要衝にもなりえる建物」ではないだろうか。入居者が長く安心して快適に住み続けられ、多様な人々も集まる。そして、万一の災害時にも入居者を守り、堅牢な居住空間と太陽光発電システム・蓄電池による電力供給で、地域の防災拠点となる。一歩先の目線が、サ高住運営にも必要とされている。

高品質・高耐久性で60年の長期サポート

快適な住み心地のカギとなる住宅の基本性能は、セキスイハイム最高峰の戸建て住宅「パルフェ」がベースだ。外壁は紫外線、酸性雨に強い磁器タイル、屋根はステンレス素材という高耐久部材を使用。繊維密度の高い断熱材を壁に隙間なく敷き詰め、開口部には高品質のペアガラスとアルミ樹脂複合サッシを組み合わせることで、優れた断熱性、気密性も確保している。水回りには、人間生活工学から生まれ、介護する人にも介護される人にも好評な積水ホームテクノの「ウェルス」シリーズが採用されている。

こうした住宅の基本性能がもたらすメリットは多大だ。たとえば、塗装外壁であれば通常外壁補修工事を行うが、セキスイハイムのタイル外壁は再塗装が不要で、屋根はメンテナンスなしで済ませられるため、ライフサイクルコストを大幅に抑えることができる。定期診断も60年目まで続けられる。