「減災」により入居者を守り
地域の防災拠点となるサ高住とは
積水化学工業 住宅カンパニー
エネルギーを「創る・貯める・かしこく使う」システムを搭載した「スマートハイム」には定評があった同社が、「災害弱者」となる高齢者を本気で守る。

災害弱者を守り抜く強固な建物と電力自給
「震災などで災害弱者となる人の多くは、高齢者です。この方たちの命と財産を守り、被災直後もエネルギー自立をして地域の防災拠点・避難所になり得る建物が、『ハーベストメント』開発のコンセプトです」

有原 正勝
そう語るのはセキスイハイムブランドを持つ、積水化学工業の有原正勝主席技術員。同社は2002年から介護事業に携わり始め、04年には居宅介護支援サービスを提供するセキスイオアシスを設立、また14年には千葉県を中心に介護事業を展開するヘルシーサービスをグループ会社に迎えるなど、高齢者に寄り添う事業分野を拡充している。
多くの実績を積む一方で、「ハーベストメント」のコンセプトづくりには東日本大震災での同社の実体験を色濃く反映させた。その体験とは11年3月のこと。東北地方にあるセキスイハイムの住宅展示場が地域の避難所として利用されていたのだ。強固な耐震性を備えており、しかも、電力を自給自足できるからだった。
セキスイハイムの住宅は、独自開発した強固な構造体により、巨大な地震エネルギーさえも分散・吸収して建物の倒壊を防ぐ耐震設計になっている。また、太陽光発電システム、定置型大容量リチウムイオン蓄電池(e-
Pocket)の普及を積極的に推し進めている。これらのシステムを組み合わせることで、日ごろの光熱費を削減できるのはもちろん、災害時には非常用電源としてより効果的な活用ができるためだ。
14年12月末現在で太陽光発電システム搭載住宅の建築実績は16万1013棟を誇り、ギネス世界記録®に認定されている。もちろん、「ハーベストメント」にもこの太陽光発電システムと蓄電池を標準搭載している。
これらの技術力をもとにセキスイハイムが取り入れているのが、災害時の被害を極力低減させる「減災」の観点だ。災害をあるものとして想定しその被害を最小限にするという、より現実的な考え方と言える。
そのため、前述の地震に耐える構造体を備えているのはもちろん、電気自動車への充電と建物への給電が可能な「V to Heim」仕様も選択できる。また、もしもの時の安全確保にも余念がない。