新型「ラングラー」予想外の値下げをした意図 Z世代へのアピールとシェア拡大を狙った戦略

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ラングラーの平均購入年齢
ラングラーの平均購入年齢(写真:三木宏章)

こうした背景からステランティス ジャパンでは、新型モデルをリリースするタイミングで、前述のように、ラングラーのシェア拡充を目指しているのだ。とくに価格を下げることで、これも先述のとおり、同モデルの購入層で増えているZ世代などにアピールしたいと考えているという。従来モデルでも、購入者の平均年齢は43歳と比較的若いことも、こうした戦略を後押しする。同社の値下げ戦略に対し、市場がどのような反応を示すかが今後注目だ。

限定10台のアンリミテッド ルビコン ハイ ベロシティ
限定10台のアンリミテッド ルビコン ハイ ベロシティ(写真:Stellantisジャパン)
限定300台のアンリミテッド サハラ ローンチエディション
限定300台のアンリミテッド サハラ ローンチエディション(写真:Stellantisジャパン)

 

なお、ステランティス ジャパンでは、新型ラングラーの発表を記念した2タイプの特別限定車も用意。アンリミテッド ルビコンをベースに、ビビッドな黄色のボディカラーを採用した「アンリミテッド ルビコン ハイ ベロシティ(Unlimited Rubicon High Velocity)」を限定10台、税込み899万円で発売。また、アンリミテッド サハラをベースに、ジープの誕生年である「1941」のロゴ入りテールゲートデカールなどの特別装備を施した「アンリミテッド サハラ ローンチエディション」も用意。こちらは、300台限定で、価格(税込み)は849万円だ。

ガソリン車は最後か?

プレス発表会では、Z世代からの高い支持を強調し、今後のファン拡大戦略ついて語られた
プレス発表会では、Z世代からの高い支持を強調し、今後のファン拡大戦略ついて語られた(写真:三木宏章)

ちなみに、ガソリン車のラングラーを新車で購入できるのは、このモデルが最後になるかもしれない。それは、ジープ・ブランドを手掛ける本家のステランティスが、「2025年末までに、北米におけるジープ・ブランドの全ラインナップを電動化する予定」と発表したからだ。また、「2030年までに米国のジープ・ブランド販売の50%、欧州では100%をBEV(バッテリーEV)にする」といった計画も公表。そうなると国内販売されるラングラーも、近い将来、BEVやPHEVなど電動化モデルしか選べなくなる可能性はある。

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ただし、最近、欧米などではBEVモデルの販売低迷などにより、EVシフトの見直しなどの動きもある。そのため、実際にラングラーが、ステランティスの発表どおり、次期モデルでBEVなどになるのかはわからない。ラングラーには、すでにPHEVモデルの「ルビコン 4xe」もあり、国内にも導入されている。こちらのモデルは、今回施されたようなマイナーチェンジはないが、ひょっとすると、次の完全フルモデルチェンジのタイミングで、主力モデル、またはBEVモデルと併売となる可能性はありそうだ。ともあれ、混迷するEVシフトのなか、こうした輸入SUVにも、今後どのようなモデルが出てくるのかも注目だ。

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平塚 直樹 ライター&エディター

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ひらつか なおき / Naoki Hiratsuka

1965年、福岡県生まれ。福岡大学法学部卒業。自動車系出版社3社を渡り歩き、バイク、自動車、バス釣りなどの専門雑誌やウェブメディアの編集者を経てフリーランスに。生粋の文系ながら、近年は自動運転や自動車部品、ITなど、テクノロジー分野の取材・執筆にも挑戦。ほかにも、キャンピングカーや福祉車両など、4輪・2輪の幅広い分野の記事を手掛ける。知らない事も「聞けば分かる」の精神で、一般人目線の「分かりやすい文章」を信条に日々奮闘中。バイクと猫好き。

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