「気分を害したら申し訳ない」はなぜダメなのか? 謝るときの不快感を乗り越えて正しく謝る方法

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

この地球に数年以上暮らしていれば、愛する人、まったく知らない人、そのあいだにいるすべての人を傷つける運命にある。ようやく最近になって、それが避けられないことだと理解した。あるいは、私たちがやむをえず誰かを傷つけてしまったときに、もう1つ、やるべきことがあるのに気づいた。文句を言わずに謝る。

できるだけ早いほうがよい。359年も待ってから謝ると、効果が薄れる。

人間は誰も完璧ではない

本稿の最後にもう1つだけ尋ねたいことがある。すぐに答えられる質問だ。謝ったら、相手にどう反応してほしいか? 恥をかくことを恐れつつ、勇気を出して恥ずかしさ、赤面、震える声を乗り越え、自分が悪いことをしたのを認めたら。

傷つけた相手が誰であれ、私たちが心から後悔し、昨日の自分より少しでもよくなりたいと思っていることに気づいてほしい。思いやり、共感、寛大さ、理解……、そうした感情を抱き、たとえまだ腹を立てていても、「わかった」と言ってほしい。

嘘をつくべきでないとわかっていながら、ついてしまったときにも。会社の休日パーティにゼブラ柄の中折れハットをかぶって来いと言って、さんざんな目にあわせてしまったときにも。私たちは許してほしいと願っている。

自分のしていることを意識するには、ひっきりなしに続く失敗を受け入れて耐えることが必要だ。誤解する。人を傷つける。ほんのささいなことかもしれない。ほとんど気づかれず、ほとんど意味もなく、宇宙の塵となって消えてしまいそうなほど。

『How to Be Perfect 完璧な人間になる方法?』書影
『How to Be Perfect 完璧な人間になる方法?』(かんき出版)。書影をクリックするとAmazonのサイトにジャンプします

あるいは逆に、はるかにひどいことかもしれない。自分のしたことのせいで生活が著しく脅かされた人々が、現実に、紛れもない苦痛を感じているかもしれないのだ。

徳に欠けた人が痛みや苦しみを引き起こしたら、(適切な方法、適切なタイミングで、適度に)声を上げるのは正当な行為だ。けれども相手の行為が許容範囲だったら、自分が失敗して、同じように寛大さや理解を求めようとすることを思い出してほしい。

それはきわめて複雑な哲学の質問だが、よく覚えておいてほしい。完璧を求めたり、他人に不可能な基準を押しつければ、誰も完璧ではないという単純で美しい現実を否定することになる。

マイケル・シュア テレビプロデューサー・脚本家

著者をフォローすると、最新記事をメールでお知らせします。右上のボタンからフォローください。

Michael Schur

1975年、ミシガン州アナーバー生まれ。テレビプロデューサー・脚本家。『ジ・オフィス』『マスター・オブ・ゼロ』『ザ・カムバック』『ハックス』などの番組の脚本家やプロデューサーを経て、『パークス・アンド・レクリエーション』『ブルックリン・ナイン‐ナイン』『グッド・プレイス』『ラザフォード・フォールズ』の制作、および共同制作を務める。妻のジェニファー、ウィリアムとアイヴィの2人の子どもとともにロサンゼルス在住。

この著者の記事一覧はこちら
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

関連記事
トピックボードAD
キャリア・教育の人気記事