セミナーレポート

グローバルオペレーティングモデルの新潮流

ビジネスインパクトをもたらす企業変革の実践

特別講演
イノベーションを育むマネジメント

昆 政彦
スリーエム ジャパン
代表取締役 副社長執行役員 財務・人事・情報システム・総務担当
 

スリーエムジャパンの昆政彦氏は「イノベーションは個人の頭の中で起きるが、外からの良質な刺激が必要」と述べ、その推進に向けた取り組みを紹介した。同社はコラボレーションの機会として、エンジニアが顧客から課題を聞き、解決策を考える場をカスタマーテクニカルセンターに設置。顧客ニーズに詳しい社内の事業・営業担当に向けた技術発表会なども開催し、技術の新たな用途発見につなげてきた。たとえば防寒着向けに開発された不織布は、音響メーカーのアイデアでスピーカーの防音材に利用され、今は自動車のエンジン音を遮断する用途で、大きな需要があるという。

昆氏は「初代会長マックナイトの『汝、アイデアを殺すなかれ』という理念が浸透し、アイデアをつぶす行為は罰則対象にもなる」と言及。社員が勤務時間の15%ですることには上司は関与しないという「15%カルチャー」や、研究を続けながら役員と同等待遇に昇進できる人事制度など、社員のモチベーションを引き出す仕組みのほか、「年間売上に占める新製品比率の目標」という経営管理手法を紹介。イノベーションを推進する企業文化の背景に触れた。

事例講演
グローバル人財マネジメントにおける日産の取り組み

アニッシュ・バイジャル
日産自動車 グローバルHR Strategy AMI
人事部 副本部長

日産自動車のアニッシュ・バイジャル氏は「日産の変革を進め、目標を達成するためには、労働コスト増大を抑え、グローバルリソース活用を進めることが急務だった」と、同社のHRマネジメント立て直しの狙いを語った。

グローバルHRでは、グローバルタレントの管理とともに、人員配置やコストに焦点を当てたリソースマネジメントを実施。FTE(フルタイム当量)などのデータを使って、国・組織別に人件費を比較できるようにした。そのうえで、人件費の増加を売り上げの伸びの50%以内に抑え、日本の労働力を増やさず、グローバルリソースで対応する戦略を進め、売り上げと人件費の不均衡を是正した。また、アウトソーシング活用など業務を最適化する判断をする際に、重要人物やサポート役など労働を4種に分けて検討するSWP(戦略的労働力プランニング)、人件費や人数を組織・機能別に比較してギャップを見るサービスマッピングなどのツールを紹介。バイジャル氏は「HRマネジメントを成功させ、ボトムラインに価値を創出するカギは実行にある」と語った。

クロージングスピーチ
GBS推進に向けて

杉浦英夫
Genpact Japan
代表取締役社長
 
 

ジェンパクト・ジャパンの杉浦英夫社長は「GBSはグローバル先進企業のコモンワード。従来は、経理や人事などの業務機能別、国別に標準化、効率化が検討されてきたが、GBSでは、企画・管理とプロセス実行に機能を分け、プロセス実行をシェアード組織にまとめる。最近では、GBS統括役員が標準化・効率化・コストに責任を持つかたちに移行している」と指摘。「われわれは従来型のBPOだけではなく、グローバル先進企業との経験を通じて培ったノウハウをコンサルとして提供し、日本企業のGBSを推進したい」と結んだ。

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