グローバルオペレーティングモデルの新潮流 ビジネスインパクトをもたらす企業変革の実践

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間接業務部門をグループ内複数企業で集約化するシェアード・サービス・センター(SSC)や、間接業務を外部委託するビジネス・プロセス・アウトソーシング(BPO)を活用し、グローバル事業展開を効率的に進めるための業務モデルを考える、東洋経済マネジメントフォーラム「グローバルオペレーティングモデルの新潮流」が開かれた。
●主催:東洋経済新報社
●特別協賛:Genpact Japan

キーノートスピーチ
グローバル経営インフラとして進化する
シェアード・サービス

信國 泰
デロイト トーマツ コンサルティング
執行役員 パートナー

デロイト トーマツ コンサルティングの信國泰氏は、シェアードサービス(SS)やBPOについて「2000年代に入り、単純なコスト削減目的だけではなく、グローバル・ビジネス・サービス(GBS)として取り組む企業が増えている」と述べた。新規事業や新地域進出の際、SSなどから業務サービスを提供することで、業務組織を一から構築する手間を省き、ビジネスをスピードアップ。事業を抜き差しできる共通業務基盤を持つことでM&Aが容易になり、早期にシナジーを創出できるメリットを指摘した。

三上 徳朗
デロイト トーマツ コンサルティング
シニアマネジャー

三上徳朗氏は「従来のSSは、経理や人事など単一機能の効率化を追求してきたが、近年は業務プロセスを一貫して担う複数機能化が進み、グローバルで統一すべき機能はグローバル組織で、地域特性に応じる必要がある機能は地域組織で対応する『ハブ&スポーク型』に進化している」とトレンドを分析した。縦割り組織などGBS推進を妨げる要因に対しては、トップマネジメントが関与する重要性を強調。進め方については、業務標準化には時間がかかることから、現実的なアプローチとして「集約化を先行させてから標準化する方法も有効である」と指摘した。

協賛講演
世界の優良企業が実践する
革新的なオペレーティングモデル

パトリック・コグニー
Genpact シニア・バイスプレジデント インフラ・製造・サービス
ビジネスリーダー

予測が難しく激しい変動に見舞われる今日では、優れた戦略策定や指導者の交代だけでは変化に対応できなくなっている。ジェンパクトのパトリック・コグニー氏は「企業が環境変化に迅速に対応し、10年後もグローバル優良企業として生き残るためには、意思決定に必要なデータ収集と分析、そして確実な実行と結果を継続的に監視できるインテリジェントなオペレーティングモデルが不可欠である」との考えを示した。

BPOベンダーとして世界各国にデリバリーセンターを展開しているジェンパクトは、SSC設計からGBSへの移行まで、企業の成長段階に応じて柔軟な支援を行う。企業は、同社の豊富なリソースを活用することで、ムダの排除によるコスト削減や、高効率プロセスの構築を自社で行うより短期間で実現できる。同社は、母体だったGEへの業務改革支援の専門的知識に、ロボットによる自動化など、最新のテクノロジーとアナリティクスを組み合わせ、間接業務の枠を超えてミドルからフロントオフィスまでサービス領域を拡大している。

コグニー氏はGEなどの事例を示し、「たとえば製造業分野では、これまでお客様に総額15億㌦ものビジネスインパクトを生み出しています。確実な成功のために業務改革と実行の支援をしたい」と結んだ。

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