――現在の円安が続く状況をどうみていますか。
金融市場における経済見通しの変化がある。もともとは2023年末からアメリカ経済が後退局面に入ってインフレが収まり、FRB(アメリカ連邦準備制度理事会)が利下げを始めると予想されていた。
ところが、2024年になってからもアメリカ経済は堅調で、インフレは予想外に収まらずFRB幹部からは利下げに関して警戒する見方が増えてきた。その中で11月にはアメリカ大統領選を迎える。
市場ではアメリカ大統領選を前に財政が拡張気味になることを気にしながらも、FRBの利下げに消極的な発信を受けてドルが買われる局面が増えた。結果、日本円を含めた多くの通貨でドル高の状況につながっている。
円は20年間の低金利で価値が4割下落
日本銀行はマイナス金利を解除して17年ぶりに利上げした一方で、FRBは利下げを議論している。この点ではFRBが利上げし続けて、日銀が緩和を維持し続けた2021~2022年の円安と今は構図が違う。
2006年に日銀が利上げした際も、当時のFRBは利下げに入っていた。そこで何が起きたかと言えば、実は円安だった。つまり、金利がすべてを語るわけではないのも確かだ。ただ、当時から円の実質実効為替レートは40%も下落している。金利が低いままだったがゆえに、円の価値が下がった面はある。
――日銀が利上げしても円安が止まらなかったのはなぜでしょうか。
確かにFRBは今年3回の利下げが予想され、日銀は引き締めモードに入っている。ただ、それを市場は織り込み済みだった。
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