「1日3分!」見るだけで認知症を予防する方法 有効視野を訓練すると脳全体が活性化する

著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

健康な65歳から89歳の高齢者256人を対象とした研究によると、トレーニングによって有効視野を訓練した人はそうでない人に比べ前頭葉・側頭葉・頭頂葉など広範な脳全体が活性化していることがわかりました(※5)。

私たちの脳は常に多くの情報を処理しています。そして、その情報の多くは目から入ってきています。したがって有効視野が広い人と狭い人では同じ経験や物事から得られる情報に大きな差があるのです。そしてこの有効視野は加齢により狭くなります。

若い人と同じものを見ていても、そこから得ている情報量が極端に狭くなります。また、有効視野が広くなるとまっすぐ前を見ながら周辺に意識を向ける「分散的」な脳の使い方も鍛えられます。ただ大量の情報を得られるようになるだけではなく、脳を効率的に使う力も身につくのです。

よく「あの人は視野が広い」と言います。これはただの例えではなく有効視野が広くなると今まで気づかなかった町の変化や世の中のニュース、自然の彩りが目に飛び込んでくるようになります。そうすると心も広くなり物事を色々な視点からとらえられるようになります。この「視野の広さ」こそいつまでも若々しい脳でいるための秘訣と言えるでしょう。では大変な方法かというとそんなことはありません。1日3分で簡単にできるので実際にやってみましょう。

実際に「脳知覚トレーニング」をやってみましょう

やり方を説明します。まずは次のクイズを読んでください。

Q1 赤の円上で1つだけ違うマークは、A~Dのどのゾーンにある?
Q2 赤の円上で1つだけ違うマークは、何のマーク?
Q3 緑の円上で1つだけ違うマークは、A~Dのどのゾーンにある?

次に目と写真の距離を20センチに近づけます。

『1日3分見るだけで認知症が予防できるドリル』より引用

画像中央にある「LOOK」を両目で見て、そこから視線を動かさないで周りのマークを見ます。そしてクイズに答えます。つい視線をずらしたくなるかもしれませんが、それでも大丈夫です。その後でもう一度、真ん中を見て周りのマークを確認してみてください。答えがわかるかどうかではなくて、判別しようとすることが大切です。

余裕がある人は、各円の違うマークがあるゾーンをパッと素早く判別してみましょう。スピードを意識すると、より効果的です(体調に異変を感じたら、直ちに中断してください)。

クイズの答え Q1:D、Q2:カメラ、Q3:A
(※1)Alzheimers Dement 2017 603-611.
(※2)Neurosci Biobehav Rev. 2018 72-91.
(※3)PLOS ONE. 2013; 8(5): e61624.
(※4)J Am Geriatr Soc. 2010 58(11):2107-2113.
(※5)Cereb Cortex. 2022 ; 32(9): 1993–2012.
1日3分見るだけで認知症が予防できるドリル 脳知覚トレーニング28問
『1日3分見るだけで認知症が予防できるドリル 脳知覚トレーニング28問』(SBクリエイティブ)。書影をクリックするとAmazonのサイトにジャンプします
平松 類 眼科医/医学博士

著者をフォローすると、最新記事をメールでお知らせします。右上のボタンからフォローください。

ひらまつ るい / Rui Hiramatsu

愛知県田原市生まれ。昭和大学医学部卒業。現在、昭和大学兼任講師、彩の国東大宮メディカルセンター眼科部長、三友堂病院非常勤医師・眼科専門医・緑内障手術機器トラベクトーム指導医として勤務している。延べ10万人以上の老人と接してきており、老人患者が多い病院の眼科医として勤務してきたことから、老人の症状や悩みに精通している。医療コミュニケーションの研究にも従事し、シニア世代の新しい生き方を提唱する新老人の会の会員でもある。専門知識がなくてもわかる歯切れのよい解説が好評で、連日メディアの出演が絶えない。

この著者の記事一覧はこちら
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

関連記事
トピックボードAD
ライフの人気記事