事業グループ別の業績に目を移すと、中国国内のEC事業を束ねる「淘宝天猫(タオバオ・Tモール)コマース・グループ」の2023年10~12月期の売上高は1290億7000万元(約2兆6830億円)にとどまり、前年同期比の伸び率は2%と6大事業グループのなかで最低だった。
また、国内ECの収益の要である(出店者が支払う手数料や広告料金を含む)顧客管理収入が921億1300万元(約1兆9148億円)と前年同期比横ばいだったことも、成長鈍化を印象づけた。
それとは対照的に、海外市場向けの越境ECが主力の「インターナショナル・デジタル・コマース・グループ」は、10~12月期の売上高が285億1600万元(約5928億円)と前年同期比44%の大幅な伸びを達成。6大事業グループのなかでトップの成長率を記録した。
しかしながら、同グループの調整後EBITA(利払い前、税引き前、無形固定資産減価償却前損益)は31億4600万元(約654億円)の赤字で、損失額が前年同期の6億4500万元(約134億円)から5倍近くに膨らんだ。
従業員数が1年で2万人減
クラウド事業が主力の「クラウド・インテリジェンス・グループ」も、10~12月期の売上高は前年同期比3%増の280億6600万元(約5834億円)と伸び悩んだ。
ただし注目すべきなのは、同グループの調整後EBITAが23億6400万元(約491億円)と前年同期比86%の大幅増益となったことだ。アリババの説明によれば、利益率の低いプロジェクトから撤退するとともに、パブリッククラウド事業への集中を通じてプロダクト・ミックスを改善したことや、業務改革による効率アップを図ったことが功を奏したという。
アリババは(巨大化した組織をスリム化するため)2023年7~9月期から既存事業の選別と非中核資産の売却を進めている。同社の創業メンバーの1人で董事会主席(会長に相当)を務める蔡崇信(ジョセフ・ツァイ)氏は、10~12月期の決算説明会で「2023年4月からの9カ月間で17億ドル(約2516億円)相当の非中核資産の売却を完了した」と述べた。
資産売却と並行して人員カットも続いている。決算報告書によれば、2023年12月末時点のグループ従業員数は21万9300人。同年9月末からの3カ月間で約5700人減り、1年前との比較では約2万人も減少した。
(財新記者:包雲紅)
※原文の配信は2月8日
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