「現金使えない」埼玉県の運転免許更新で混乱続出 県担当者「戸惑いの声もあるが周知していく」

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収入証紙は各自治体が手数料などを徴収する手段として、条例に基づいて発行する金券の一種で、売りさばき所として登録されている施設で購入する。免許更新の際には、警察署内や免許センターの売りさばき所で買って、申請書類に貼付するという手続きだった。

デジタル化や公務員の窓口負担軽減などの観点から、埼玉県だけでなく、収入証紙を廃止する自治体は他にもある。東京都は、いち早く2010年3月末に廃止し、現金での納付に切り替えていた。また、広島県や大阪府も廃止している。

埼玉県担当者「戸惑いの声もあるが周知していく」

埼玉県はDX化施策の一環としてキャッシュレス化を推進、2023年10月から本格導入した。県の担当者によると、2024年1月の全面キャッシュレス化以降、本庁にも戸惑いの声が届いているという。窓口でチャージができない、クレジットカードもJCBは使えないなどの点が指摘されている。

しかし「利用者の7〜8割はキャッシュレスで対応していただいています。制度は始まったばかりなので、周知が必要だと考えています」(担当者)として、方針に変更はなさそうだ。

同県の施策では、手続きを窓口に来ないで進める「電子申請」につなげるための移行段階での措置という。2023年2月の県議会では、窓口でのキャッシュレス端末の整備にかかるコストを指摘する声も上がっていた。

「免許更新など、まだ電子申請だけで完結しない手続きがあります。まずは窓口での手続きをスムーズにして、時間の短縮や混雑の緩和につなげたい。キャッシュレスならポイントがつくなどの利点もあるので、活用してほしい」(担当者)

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