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『黒い海』伊澤理江が選ぶ「全体主義を知る名著」 最注目の1冊は『彼らは自由だと思っていた』

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伊澤理江(いざわ・りえ)/ジャーナリスト。1979年生まれ。英ウェストミンスター大学大学院ジャーナリズム学科修士課程修了。英国の新聞社、PR会社などを経て、フリージャーナリストに。『黒い海』で大宅壮一ノンフィクション賞(撮影:穐吉洋子)
鳴動する政治。終息しない戦乱。乱高下する市況。その先にあるのは活況か、暗転か――。
『週刊東洋経済』12月23-30日 新春合併特大号の特集は「2024年大予測」。世界と日本の行方を総展望する。

 

『週刊東洋経済 2023年12/23・12/30新春合併特大号(2024大予測)』。書影をクリックするとAmazonのサイトにジャンプします。定期購読の申し込みはこちら

私たち1人ひとりの選択が全体主義の暴挙へと繋がっていく――。

大方の人は、そんなことを思いもしないだろう。しかし、当事者たちが気づかぬほど小さなステップを踏みながら、事態は進行していった。

『彼らは自由だと思っていた』は、第2次世界大戦後、ユダヤ系アメリカ人記者のミルトン・マイヤーがドイツの小村に滞在し、ナチ党員だった10人にインタビューを重ねた記録だ。

相手はパン屋、家具職人、店員、集金人など、いわゆる“庶民”である。経済的閉塞感の中でそれぞれが少しでも暮らしをよくしようと入党した。ある非正規雇用の教師は入党によって正教員になることができ、結婚も果たす。 

悪いことに荷担した意識はない

「何も知らなかった」「面倒を起こしたくない」「言われるがまま行動した」……。彼らには、悪いことに加担したという意識はない。渦中にあっては、全体を見通すこと自体、困難なのかもしれない。

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