日建工学

「防災」と「環境」を両立させる
“日本発”の高技術開発に挑む
新素材「環境活性コンクリート」誕生

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TOP INTERVIEW
安定した企業収益を上げるために、
積極的な挑戦を続けていきます。

―― 「環境活性コンクリート」は、コンクリートにアミノ酸を混ぜることで、微細藻類や海藻などの生長促進が期待される画期的な製品です。異業種のコラボレーションにより誕生した点も興味深いところです。開発にあたってはどのような思いがあったのでしょうか。

日建工学 取締役社長
行本卓生

行本 2008年ごろ、味の素の研究員の方から、コンクリートにアミノ酸を混ぜて製品がつくれないかと打診をいただいたのがきっかけでした。

コンクリートは配合比率が決まっており、異物を入れることはありません。このため、当社以外では「できるわけがない」と断られたそうです。ただ、私は「それは面白いのではないか」と感じました。消波根固ブロックはさまざまな機能や形のものが100種類以上もあります。ただし、製品そのものでできることや差別化には限界があります。私は以前から、革新的な変化を起こすには、コンクリート以外の素材の利用などが必要だと考えていました。

通常のコンクリートと変わらない強度を出すために、何百回もの実験を繰り返すことになりましたが、最終的に自信作をつくることができました。当社にとって、素材に踏み込む大きなきっかけにもなりました。将来的には、海や河川だけでなく、陸上の建設物でも「環境活性コンクリート」を使えるものにしたいと研究を重ねています。

―― ベトナムをはじめ、海外展開についても、業界で初めて本格的に取り組もうとしていますね。今後の成長戦略をどう描いていますか。

行本 海外においても、当社製品の優位性が発揮できると考えています。実は、ベトナムのプロジェクトでは当初、ヨーロッパ製品の使用が検討されていましたが、すでに設置されている製品の不具合による据え直しが頻繁に起きていました。このため、安定性や経済性に優れる当社製品に変更されることになったのです。

アジアでは今後、石炭火力発電所、製油所、天然ガス洋上液化プラント(FLNG)などのプロジェクトが、めじろ押しとなります。政府開発援助(ODA)や国際協力銀行(JBIC)関連の案件なども含め、当社が活躍できる舞台は広いと考えています。

現在、日系の総合商社、プラント・エンジニアリング会社などと連携しながら、現地でのネットワーク構築に力を入れています。また、アジア各国の大学や研究機関との共同研究などを通じて、当社製品の機能を検証していただくことで、国家の標準規格づくりの段階から関与できるよう活動を進めています。現地の大学の先生方やエンジニアの方々に「日建工学のものを使いたい」と言っていただける信頼関係をつくることが一番の近道だと考えています。

環境にも配慮した“日本発”の技術がアジアをはじめ、世界で使われるようになるといいですね。その先陣になるために、努力を続けていきます。
「日建工学は何か面白そうなことをやりそうな会社だ」と、引き続きご注目いただきたいと願っています。

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