私たち人類はいつアフリカ大陸を離れたのか 世界各地に散った人類の肌の色は多様に
人類の「出アフリカ」(21万5000~6万年前)
約180万~170万年前 ジョージア(旧グルジア)のドマニシにホモ・エレクトゥスがいた。160万年前頃に彼らがインドネシアのジャワ島に到達した(いわゆるジャワ原人)ことも知られている。
1930年代 イスラエルのカフゼ洞窟などでホモ・サピエンスの化石が見つかり、後に8 万~12万年前のものと判定される。
移動は何度も繰り返された
考古学的な証拠と遺伝子解析で、すべての人類がアフリカ由来であることは知られている。では、人類はいつアフリカ大陸を離れたのか。かつては7万~5万年前と考えられていた。しかしギリシアとイスラエルの化石から判断すると、初期人類の「出アフリカ」は何度か繰り返されており、少なくとも14万年前には始まっていたと考えられる。ただし、そうした時期の化石はきわめて少ない。そのため現在では、最初期の移動は失敗に終わり、人類はアフリカ以外の地に定着できなかったと推測されている。
本格的な「出アフリカ」が起きたのは12万5000年ほど前で、きっかけは13万5000年ほど前にアフリカ大陸を襲った深刻な干ばつだったと思われる。大陸中部の乾燥化が進み、暮らせなくなった人々はまず沿岸部に移動し、ついでユーラシア大陸に渡ったのだろう。約7万5000年前にはトバ湖(インドネシア)で巨大噴火が起き、噴煙で地球上の気温が下がった可能性がある。それで人類は、限られた資源をシェアするために今までより大きな集団で暮らすことになった。これが集団での移動を促したのかもしれない。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら