株式会社ペンマーク(東京都目黒区、横山直明代表取締役)が同社の高校生向け学習管理SNS「Penmark」ユーザーの高校生約13万人に調査したところ、22.4%がITプログラミングの資格・スキルに興味があり、将来興味のある仕事はIT・エンジニア系が1位(19.2%)だったことがわかった。2位は「自分で起業」で、起業志望率は大学生を上回った。

人気の仕事1位はIT・エンジニア系、2位は起業、3位は医療・介護系

1990年代後半から2012年ごろに生まれたいわゆる「Z世代」の学生が抱える課題を明らかにしようと、ペンマークは進学やスキル、SNS、投資などについての意識を大規模な定量アンケートを実施している。今回の調査は23年2月に現役高校生を対象に実施。13万8618人(1年生:6万353人、2年生: 4万96人、3年生: 3万6169人)から有効回答を得た。

「将来どんな仕事に興味がありますか?(複数回答)」という問いへの回答は、多い順に「IT・エンジニア系」が19.2%、「自分で起業したい」が13.9%、「医療・介護系」が13.8%、「公務員」が13.7%、「企画・マーケティング系」が13.1%となった。

同社が22年に大学生約23万人に就職活動について調査した際、「自分で起業したい」と回答した学生は約12.4%で、高校生の起業志望率が大学生を上回る結果となった。学年別に見ると、3年生は15.5%、2年生は13.2%、1年生は13.3%で、卒業が近づいた3年生の割合が伸びていることもわかった。

高校生約13万人に将来なりたい仕事を尋ねた調査結果のリリースより

起業する場合の事業形態としては「スタートアップ(まだ世の中に顕在化していない新しい市場)」が55.3%で「スモールビジネス(フリーランスやインフルエンサー)」は47.9%となった。実際の起業に向けてのアクションとしては、「経済学を学ぶ」「インターネットで起業についてリサーチする」「身近な人や家族に相談する」などの声が上がった。

経済産業省が実施したスタートアップ企業1459社に対するアンケートによると、「起業家が日本で起業が少ないと考える原因」の第3位は「学校教育」だった。ペンマークは「今後、岸田政権のスタートアップ育成5カ年計画によって、高校生へのアントレプレナーシップ教育やスタートアップ育成が推進されることにより、さらに高校生の起業志望者が増加することが期待できる」としている。

高校生の約22%がITプログラミングに興味あり

「興味のある資格・スキルを教えてください」という問いには、多い順に「TOEIC・TOEFL・英検」が25.8%、「IT・プログラミング」が22.4%、「簿記・会計・税務」が18.6%となった。

高校生13万人に興味ある資格・スキルを尋ねた調査結果のリリースより

2020年からプログラミングを扱う「情報I」が必修化されたほか、企業のDX(デジタルトランスフォーメーション)戦略において新たに必要となる業務に順応できるように従業員がスキルや知識を再習得するリスキリングを求められている昨今では、IT・プログラミングは今後さらに重要になっていくと予想される。こうした時流を踏まえた結果となっているようだ。

資格興味は英語が1位も「留学したくない」学生が多数派に

興味のある資格の1位に「TOEIC・TOEFL・英検」が挙がったように、英語習得は社会人の重要スキルと捉えている高校生は多かったものの、「大学進学後、留学したいですか?」という問いには、「留学したい」が43.3%にとどまり、「留学したくない」が56.7%と上回った。

ペンマークは「学生へのヒアリング結果からは、高校生の海外留学を促進するためには経済的な支援だけでなく、教育現場での留学情報の提供を強化し、帰国後の大学入試での不利益を軽減する策を講じることが喫緊の課題となりそうだ」としている。

留学したい国の上位は、順にアメリカ合衆国が63.2%、カナダが34.7%、オーストラリアが32.6%だった。

調査元:Penmark https://corp.penmark.jp/news/20230818

(注記のない写真: pearlinheart / PIXTA)