つねにユーザー視点の使いやすさと価格設定
財務会計ソフト「勘定奉行」などの「奉行シリーズ」で知られるオービックビジネスコンサルタント(OBC)。普段から企業の基幹業務をサポートしているだけに、マイナンバー制度への対応も万全だ。
特徴の一つはクラウド型のシステムを構築し、高いセキュリティを保っていること。OBCの和田成史社長が説明する。
「マイナンバー制によって各企業にかかる負担はとても大きい。自前で高いセキュリティのシステムを構築するのは、大多数の企業にとって責任もリスクもコストも大きすぎます。しかも情報を社内に置いておけば、流出の危険性はどうしてもつきまといます。社内に情報を置くことは、社内にリスクを抱えることに等しいのです」
だからこそ、クラウドだと和田社長は強調する。そして入力方法にも特徴がある。画一的な方法があるのではなく、スマホ、PC、郵送など複数の選択肢があるのだ。
その中でももっとも手軽で、なおかつセキュリティも高い方法が、スマホを使用するもの。従業員は、まず自分のマイナンバーカードや身分証明書などをスマホで撮影して、そのデータをクラウド上にアップロードする。番号を書き間違うことはなく、家から自分のマイナンバーを持ち出す必要もない。
源泉徴収票作成など、従業員の番号が必要な時は、マイナンバーを担当する事務取扱担当者がクラウド上に取りに行くという仕組みだ。紙の書類での管理だと漏洩や紛失のリスクが気になるが、その心配は不要。手作業時にかかる手間も削減できる。しかもクラウド上にある番号を利用する時には、ID・パスワード、ワンタイムパスワード、さらに電子証明書という3段階のアクセス認証の「壁」を用意しているので、万全の防備と言えよう。
費用に関しては、企業の従業員規模に応じて設定される。和田社長は「企業層にかかわらず、継続してご利用いただける価格を用意しております」と明言する。
同社の「奉行シリーズ」は累計56万社の導入実績を誇る大ヒット商品だが、その人気の理由の一つが使いやすさ、わかりやすさにある。これまでに培ってきたユーザー志向のモノづくりのノウハウや価格設定は、このサービスでも存分に生かされているようだ。
基本方針・取扱規程の策定方法も絶妙アシスト
このサービスはさまざまな基幹業務システムとの連携が可能という特徴もある。「奉行シリーズ」の導入企業なら、直接連携により個人番号を局所的に利用することもできる。また、その都度クラウド上にある番号を照会・削除するため、つねに極めて安全なシステム環境が構築できる。
もちろん、「奉行シリーズ」を導入していない企業の場合でも、セキュリティの高いサービスなので、CSVファイルを取り込んで個人番号を取得したり利用したりすることができ、APIでの連携も可能だ。いずれにしても既存のシステムを活用し、低コストでしかもスピーディにサービスを導入することができる利点もある。

ただし、マイナンバー制度への対応は、ITを使った収集・利用・管理だけで完結するものではない。現在、多くの企業が困惑しているのは、「基本方針や取扱規程の策定方法」にほかならない。国が示したガイドラインには、「基本方針や取扱規程を策定しなければいけない」と明記されているのに、具体的にどのような方針や規定を作ればいいのかという点については示されていないからだ。
OBCのサービスではこの点もきちんとカバーされている。基本方針・取扱規程などの策定手順を示すサンプルが用意されており、それを見ながら自社に合うものを選択していけば、各企業の条件に応じた方針や規定が自動的にでき上がるようにドキュメントのパックを提供する予定だ。「実際に誰かに相談したい」という人には、同社の商品を販売しているパートナー企業を通じて、社会保険労務士やコンサルタントを紹介する体制も築いている。同社のパートナーは全国に約3000事業所あるため、どの地域であってもすぐにコンタクトをとることができるだろう。
「マイナンバー制度はいずれさまざまな民間分野にも適応されていく見込みです。だから制度に早く対応し、利活用に習熟しておけば、企業内でのさらなる活用にも対応しやすくなるはずですし、将来的な企業競争力の向上にもつながると考えられます。そのためにもぜひ前向きに取り組んでいただきたいと思います」
和田社長は真剣な眼差しでそう呼びかける。同社は今、マイナンバー制度に関するセミナーを北海道から沖縄の日本中で開催している。何をどうすればいいのかわからないという企業も含めて、まずはこのセミナーに参加するところから始めてみてはどうだろうか。