外資系企業が考える管理職としての「最悪の選択」 コンコルドの失敗とインテルの成功に学ぶこと

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「ここまでやったのだから」という理由で失敗をした有名な例として、英仏の企業が世界初の超音速旅客機として開発・製造に取り組んだ「コンコルド」があります。

燃費の悪さ、凄まじい騒音、高価な機体。これでは採算がとれないと指摘されながらも、政府による赤字補塡のもとで継続されました。ここで中止したら、これまでの投下資金と費やした時間が無駄になるということでしたが、結局は、それ以上の大赤字を残して幕を閉じました。

この事例から、「ここまでやってきたから」という根拠のない理由で続けてしまう心理現象は、「コンコルド効果」と呼ばれています。

ゼロベースで決断したインテル

これに対して、現在マイクロプロセッサ(超小型演算処理装置)界の王者として君臨している米インテルは、80年代に、当時の主力事業であったDRAM(半導体メモリの一種)から撤退するという大きな決断を行いました。一時、実質的に市場を独占していたDRAM事業ですが、低価格・高品質の日本企業の猛追にあい、利益率の低い価格競争に巻き込まれていたのです。

のちにCEOとなるアンドリュー・グローブ氏が「自分たちがクビになって、過去にしがらみのないCEOが外部から来たらどうするだろうか?」という問いを経営陣に発することで、過去ではなくゼロベースで未来に目を向けた決断ができたのです。「ここまでやってきたのだから」という発想からの決別が、いまの成功へとつながっています。

もし、あなたのチームの中で、うまくいっていないにもかかわらず「ここまでやったのだから」という理由で続けている仕事があったとしたら、即刻検討し直すべきです。

「いま始めるとしても、同じことを同じやり方でやるのか?」と自ら問い、継続か、修正か、終了かを判断するとよいでしょう。やめるという決断には勇気が必要ですが、インテルのように、それが次の成功を手にするためのステップにもなります。

櫻田 毅 人材活性ビジネスコーチ

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さくらだ たけし / Takeshi Sakurada

アークス&コーチング代表。九州大学大学院工学研究科修了後、三井造船で深海調査船の開発に従事。日興證券(当時)での投資開発課長、投資技術研究室長などを経て、米系資産運用会社ラッセル・インベストメントで資産運用コンサルティング部長。その後、執行役COO(最高執行責任者)として米国人CEO(最高経営責任者)と共に経営に携わる。2010年に独立後、研修や講演などを通じて年間約1500人のビジネスパーソンの成長支援に関わる。近著に『管理職1年目の教科書』(東洋経済新報社)がある。

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