ピンチをチャンスにするインボイス制度対応とは 中小企業のDXを支援する大塚商会の「使命感」

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大塚商会 ビル外観と社名ロゴ
2023年10月からインボイス制度が開始。同年12月31日には電子帳簿保存法(電帳法)の宥恕(ゆうじょ)期間が終了し、電子取引の証憑(しょうひょう)は電子データでの保存が義務づけられる。経理・会計業務が劇的に変わろうとしている今、どう対応すべきか頭を悩ませている企業も多いだろう。そんな今こそ、「DXを進めて企業を成長させるチャンス」と呼びかけるのは、長きにわたり中小企業のデジタル化を支援してきた大塚商会だ。

「制度への対応」だけのシステム導入はもったいない

インボイス制度や改正電帳法によって、経理・会計業務の負担が重くなることは広く知られるようになった。とりわけ請求業務では、従来どおり消費税の仕入税額控除を受けるため、13桁の登録番号や適用税率、税率区分ごとの消費税額の追加といった要件を満たさなくてはならない。大塚商会の上席執行役員、十倉義弘氏は顧客企業の反応について次のように話す。

大塚商会 上席執行役員 営業本部 業種SI部門長補佐 十倉義弘氏
大塚商会 上席執行役員
営業本部 業種SI部門長補佐
十倉 義弘 氏

「間違いなく経理業務の負担が重くなりますので、対応システムの導入を検討するお客様が急増しています。ただ、『インボイス制度や電帳法にだけ対応できればいい』という考えではもったいないとお伝えしています」

業務上の困り事を解決し、DXを大きく進めるチャンスだと同氏は語る。インボイス制度と改正電帳法によって、企業内外で行われる業務は紙ベースからデジタルへのシフトが進むこととなる。そこで、販売や会計などとのシステム間の連携を進め、ワークフローを見直すことで、業務効率化が図られるという。

「販売管理や人事給与、会計といった基幹系システムを別々に導入している企業は多いですが、データベースが分かれてしまうため、それぞれでマスター登録が必要です。新入社員の入社時も、ライセンスや権限を設定するため一度に多数のシステムを見る必要があり、かなりの業務負荷がかかります。基幹系システムと情報系システムを連携させることで、メンテナンスの負担が減るだけでなく、統合データベースが実現し、コスト削減や収益向上につながるデータ活用を行う基盤づくりができます」

業務の効率化や内部統制の強化にもつながる

とはいえ、どうやって基幹系と情報系のシステムを統合すればいいのか。大規模システムへのリプレースは、コストも時間もかかる。「できるだけ低コスト・短期間で」、そんなニーズに応えるため大塚商会が提供するのが「DX統合パッケージ」だ。1979年の誕生以来、時代の変化に合わせて進化してきた基幹系システム(ERP)の「SMILE」と情報系システム(グループウェア)の「eValue」を融合したもので、それぞれの使い勝手のよさはそのままに、DX推進の基盤として進化している。

「組織・人事情報が一元管理できるので社員マスターなどのメンテナンス作業が省力化されます。それだけではなく、販売システムで作成された見積書をスムーズに申請・承認、ワークフローで承認した領収書を会計データとして保管、といった具合にシステムの違いを意識することなくデータを連携させることができます」

もちろん、インボイス制度や改正電帳法にも対応。発行時は、要件を満たした適格請求書を電子的に送付でき、そのまま電帳法の要件に沿って保管される。受領時はAI‐OCR機能で読み取って日付や金額、取引先情報を一括登録。会計仕訳データとも連携できるため、一気通貫で業務処理が完了する。

国税庁とAPI連携することで面倒な「13桁の登録番号確認」も自動化。13桁の番号を国税庁の公表サイトに入力しなくても、取引先が適格請求書発行事業者かどうかスムーズに確認でき、登録番号とともに法人番号、郵便番号、住所まで仕入れ先マスターへ自動的にセットされる。人の手がほとんど介在しないため内部統制が強化されるうえ、コーディング不要で独自帳票も作成できるなど拡張性の高さも魅力だ。

「今までお使いのクラウドサービスとのAPI連携やAI・RPAツールとの連携ができるのも大きなメリットです。例えば勤怠管理システムは、シフト管理が複雑なため専売メーカーのものを利用し、給与計算と人事評価はそれぞれ他社のクラウドを利用するなど、別々にマスター管理しているケースは少なくありません。しかし、『DX統合パッケージ』ならばデータがシームレスにつながるので、人材マネジメントの強化や内部統制の強化、より効果的な営業戦略の構築が可能になります」

大塚商会の専任SEが忙しい情シス担当をサポート

単にパッケージを提供するだけでなく、企業に合わせた手厚いサポートを欠かさないのが大塚商会の特徴だ。意外と知られていないが、同社は従業員の約40%が技術職。「DX統合パッケージ」の導入に当たっては担当SE(システムエンジニア)がつき、設定などを丁寧にサポートする。

「『システムを入れただけで使いこなせない』、これが、DXを阻害する最大の要因です。不安なく使いこなせるところまで顧客企業に寄り添い、その成長に貢献できればと思っています」

そうした思いがあるからこそ、大塚商会では必ず自ら試し、効果の出たものを顧客に提供している。最近話題のAIについても、いち早く自社内で営業支援や需要予測AIを活用し、受注率を向上させた。そうした経験を踏まえ、「DX統合パッケージ」には商品別の需要予測ができる「dotData」のAI機能を標準実装。誰もがAIを使える時代の到来に備え、専門家がいなくても高度なデータ分析・活用ができる基盤に成長させる予定だ。

法改正だけでなくAIを含めた進化するテクノロジーの実装にも随時対応する「DX統合パッケージ」。まさに「日本の企業の99%以上を占める中小企業を元気にすることこそ、大塚商会の使命」という同社の意気込みを体現しており、中小企業が予測不可能な時代を乗り切るのに有用な製品といえそうだ。

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