EY Japan「持続可能な経営」セミナー 企業価値向上と社会価値創出を同時に実現する経営に向けて
持続的成長に向けた経営のあり方を探る「『持続可能な経営』セミナー」が3月、東京・千代田区で開かれた。開会あいさつで、EYジャパンエリア・マネージング・パートナー、新日本有限責任監査法人理事長の英公一氏は、戦後のどん底から立ち上がった日本のポテンシャルの高さを強調。一方で「一度復旧すると、上昇に貪欲でない」のが弱点として「米国のフロンティア精神のようなビジョンを持って進むことが大事」と訴えた。
▶ 主催:EY Japan ▶ 協賛:宝印刷、在日米国商工会議所(ACCJ)
▶ 後援:東洋経済新報社
▶ 後援:東洋経済新報社

【基調講演】
持続的成長のための経営改革

日立製作所 相談役
川村 隆氏
川村 隆氏
2009年、日立の執行役社長に就任、業績をV字回復させた川村隆氏は、「痛みを伴う改革をやり抜けるかどうかが経営の大事なところ。大事は理(合理性)で決め、その後に救わなければならない小事は情で決める」と心構えを語った。「日本人は落ち着くと緩んでしまいがちだが、平時こそ改革が大事」と指摘。グローバル企業になるため、意識的に枠をはみ出し、異端の行動、多様性から生まれるイノベーションの重要性を訴えた。社長に改革派の人材を据え、外国人を含む社外取締役を多数派にしてガバナンスを効かせる取組みを紹介した川村氏は「企業は稼いで付加価値を社会に返すべき。ただ、それだけでは格差や環境などの問題を解決できないのも事実。ソーシャルビジネスを行う『第二日立』を作る必要があるかもしれない」と述べた。