総合商社の事業ノウハウを活かしてDXを支援 サステナビリティなど先進的な経営課題に対応

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ドルビックスコンサルティングCOOの武藤氏
ドルビックスコンサルティングCOOの武藤氏
総合商社の丸紅が、DX支援を行うドルビックスコンサルティング社(以下、ドルビックス)を立ち上げたのは2020年末。設立からまだ2年強だが、すでに累計120件を超えるプロジェクトを実施している。なぜここまでスピーディーに業績が拡大したのか。

丸紅100%出資コンサルならではの
「商社のアセット」が強み

多くの企業がDXに取り組み始め、それを支援するコンサルティングファーム(以下、コンサル)も増えている。システム専門や経営戦略など他分野からデジタル領域に進出してきたコンサルが多い中、設立当初からDXネイティブなコンサルがドルビックスだ。

同社は、丸紅の100%出資によって設立された。その狙いを取締役COOの武藤覚氏は次のように明かす。

「丸紅グループは多岐にわたる事業を手がけてきましたが、トレーディングから事業投資へと業容が変化しています。

ドルビックスコンサルティング 取締役COO 武藤 覚 氏
ドルビックスコンサルティング
取締役COO
武藤 覚氏

近年は産業そのものの変革が求められる中で、グループとしてあらゆるステークホルダーのDXや、それに伴う事業変革に貢献する提供価値の強化を重視しています」

しかし、丸紅内にDXの基盤を支えるデジタルソリューション関連会社群はあるものの、顧客の課題特定から課題解決につなげるコンサル機能を持つ会社がなかった。

戦略立案や業務改善などの場面で外部のファームに依頼していては、いつまで経っても知見が蓄積されない。そこで、デジタルソリューション関連会社群に横串を刺す存在としてドルビックスを設立した。

「私たちは戦略とテクノロジーを融合させて、構想策定から実行、運用改善まで伴走することが可能です。幅広くコンサルを手がけるファームは数多くありますが、業種ごとの縦割りが根強かったり、監査先企業にコンサルを提供できないケースがあったりと、業界横断的にサービスを展開することが難しい。しかし、DXは業界横断で進めてこそインパクトの大きい効率化や価値創出が可能になります。私たちは最初から業界横断的な組織編制で幅広いテーマに対して戦略的に課題を解決しています」

同社の強みは、業界横断的な知見だけではない。商社の事業資産――取引先ネットワーク、事業会社運営のノウハウ、幅広い業界におけるプレゼンスなど――にアクセスできることは大きい。

さらに案件かぎりのスポット的な関わりではなく、事業運営や事業投資など当事者として参画し続ける選択肢を持つことも、商社系らしい特徴だ。

RFIDタグによるデータ利活用で
出版流通業界の効率化に貢献

ドルビックスは営業開始からまだ2年強だが、積極的な人材採用により、現在は約60名のコンサルタントを擁する。そのうち7割が大手ファーム出身者、3割が事業会社の経営企画や事業推進経験者だ。新興でありながら高水準の人材が続々と入社するのは、「業界横断的な案件に魅力を感じる方が多いから」だという。

人員の拡充につれて案件も増えている。23年1月時点で累計400件以上の相談を受け、120件を超えるプロジェクトを実施。業績は事業計画を上回るスピードで拡大中だ。取り組むテーマは多岐にわたるが、「企業の量的成長に寄与するものか、質的変革を促すものか」「事業にフォーカスしたものか、全社で基盤を整備するものか」の二軸で整理できる。「事業×量的成長」につながる支援実績として、出版流通のDXがある。

年々、書店の経営は苦しくなっている。その背景として実は本のサプライチェーンの課題がある。書店から販売会社(卸売)への返本率は3~4割に及ぶ。一度納品した本を返本するのは、コスト負担だけでなく物流面の環境負荷も大きい。こうした状況を改善するため、出版社大手3社と丸紅グループで合弁事業を立ち上げた。その中の大きな取り組みの1つが、RFID(Radio Frequency Identification)によりサプライチェーン横断でデータを収集して利活用するプラットフォームの構築で、ドルビックスはこの構想段階から支援している。

「書店にとっては、入出庫・棚卸し作業の省力化、レジレス決済や万引き防止、在庫の見える化による在庫適正化などを実現できます。さらにRFIDの活用が出版流通全体に浸透すれば、流通在庫が見える化し、データに基づく需要予測や、発行部数と配本数の最適化も可能と考えています。また、書籍購入者限定のサービスを提供するなど、マーケティング効果も期待できます」

このプロジェクトは出版業界のさまざまなステークホルダーが関係し、さらにハードウェアやシステムなどのデジタル側ベンダーも多様だった。多岐にわたる関係者の意見をまとめることができたのは、総合商社とコンサルの両方の強みを持つ同社ならではだろう。

最先端の社会課題を
デジタルで解決する先進性

「事業×質的変革」領域では、サステナビリティ情報のプラットフォーム構築が興味深い。グローバルに活動する企業には国際的イニシアティブのガイドラインへの対応などESG関連情報の開示が求められている。各社がサステナビリティ向上に取り組んでいるが、GHG(温室効果ガス)排出量をはじめとするESG関連情報の収集や一元管理、可視化の一連の体制・仕組みの整備が追いつかず、多くの企業で経営課題となっている。

そこで、ドルビックスは、丸紅のさまざまな業界とのネットワークと知見、自社のノウハウを合わせた、サステナビリティ・データプラットフォームをクラウド基盤上のパッケージとして開発。2月から当該サービスの営業を開始している。

「ドルビックスは、丸紅グループのグリーン戦略を支援する中で培ったノウハウを、国内外のお客様にも展開します。ドルビックスは、今後もこうした社会的意義と先進性のあるDXに取り組んでいきます」

ドルビックスの23年3月期の売り上げは前期比250%成長を見込む。24年3月期は100名体制を目指し、さらなる成長を図っていく。

期待が大きいのは、やはりグループ外への展開だ。すでにグループ外の通信、電力、自動車、証券、保険などの大手企業に向けた支援も展開してきたノウハウを基に、外販割合を5割以上に高める考えだ。

「私たちの独自性や先進性が外部に十分に通用する手応えをつかめました」

日本ならではの「総合商社」をルーツに持つベンチャーであるドルビックス。企業の変革と成長を実現できる存在として目が離せない。

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